地球産業文化研究所(GISPRI)について
メニューに戻る







地球産業文化研究所

理事長  南 直哉


 地球産業文化研究所は、地球的規模での資源・環境問題、新しい国際システムの在り方、産業・経済と文化・社会の新しい関係の在り方等に関わる総合的政策を提言することを目的として1988年12月に設立され、以来、研究成果を政府、産業界等に発信する等活発な研究活動を行ってまいりました。また、2007年4月からは、財団法人2005年日本国際博覧会協会から愛・地球博理念継承発展事業を継承し、同事業の主目的である「自然の叡智」を具体化するための様々な事業を実施しております。

 昨今の我が国を取り巻く情勢は、厳しさと混沌の度合いを深めております。世界経済は、全体では2008年の金融危機以来、新興国を中心に緩やかな回復の基調を見せておりますが、一方で、それら新興諸国では、経済活動の活発化に伴いエネルギーを初めとする各種資源の消費が急増しているのに伴い、CO2などの温暖化ガスの排出も急増し、マイナスの現象も顕著になってきております。
 他方、先進諸国は、市場の低迷・縮小の中に苦しんでおり、その厳しい状況はますます強まっているのが現実です。そういう中でも、新たな成長産業を育て、雇用を生み出すためには、国内外の様々な課題に対応する新たな需要分野でのイノベーションを促進することにより、経済の活力に結びつけていくことが不可欠です。
 とりわけ資源・環境の分野は、世界全体で取り組むべき課題を抱えており、また今後成長が強く期待される分野でもあります。
 こうした地球規模での問題に効果的に対処し、人類が引き続き発展するためには、人類の叡智を結集し、各国、各民族が強調して問題解決に当たる土壌を形成していくことが従来にも増して求められます。とりわけ、我が国は、これまで培ってきたこの分野での優れた経験やノウハウを更に発展・深化させ、自らの成長の原動力としつつ、世界規模での「環境と経済成長が共生する持続可能な循環型社会の構築」に向け積極的に貢献していくことが必要です。

 このような問題意識のもとに、本財団としても全力を傾注してその使命を果たしていきたいと考えております。更に、愛・地球博の理念の継承発展事業を通じ、愛・地球博のテーマである「自然の叡智」が目指した社会、即ち自然の摂理を尊重し、持続可能な社会の実現に向け、この理念を世界に向けて積極的に発信することで、本財団が少しでも貢献できるよう努力してまいりたいと考えております。今後とも、関係各位の一層の御支援と御協力をお願い申し上げます。