地球産業文化研究所(GISPRI)について
メニューに戻る



調査研究
1.国際システム及び文化・社会関係
  グローバリゼーションの潮流が加速する中で、国際社会は新しい秩序構築への模索と挑戦を続けています。「民族、宗教、領土、資源等を巡る国際的な緊張を如何に緩和するのか?」「社会開発や経済発展への地域的な取組みが進む一方で、先進諸国と途上国の間の絶望的な格差の克服は可能か?」等21世紀初頭のグローバル社会は様々な重い課題を抱え、その解決に向け新たなパラダイムの構築が求められています。
 このため本研究所は、持続的な社会システムの構築とそのガバナンスの在り方を探るべく、長期的かつ広範囲な視点から国際システム分野の調査研究を行っています。 2002年度、2003年度は「WTO加盟後の中国経済と日本の対応」に取り組み、2004年度からは東アジアにおける経済連携構想、二国間FTA交渉の進展に合わせて「東アジアのサプライチェーン構想」、「東アジア域内の産業協力」及び「インドとの新たなパートナーシップ」等の調査研究を行っています。
 産業社会と文化の関わりを問う研究分野では、少子高齢化、グローバル化時代の産業と文化の新しい関係の在り方を求めて研究を進めております。日本社会の新たな構成主体と期待されるNPOや、グローバルな経営を展開しつつ社会的影響力をさらに拡大させている企業などがそれぞれ社会とどのように関わるべきか、2001年度と2002年度は「NPOと企業・政府との協働」を、2003年度と2004年度は「企業の社会的責任」を主題に、研究を行いました。 2005年度以降は「産業社会のリスクガバナンスと安全文化」、「若年層の人材開発と雇用創出」等の研究を行っています。
 また、グローバル化時代の日本社会のアイデンティティーを問い直し、活力に満ちた持続可能な社会の在り方を探るべく、「観光立国」、「多民族共存社会」の研究を進め、現在は「社会文化の変化と企業経営の進化」についての研究を進めています。

2.地球環境関係
   先進国の豊かさの追求と発展途上国の人口増加・経済発展等に起因する地球環境の悪化や枯渇性資源の消費がこのまま続くと、人類がこれまでに構築した社会システムが崩壊の危機に直面するものと予測されています。この危機的局面を打開するためには、地球環境の保全と経済及び社会の発展が両立する持続可能な発展が必要不可欠となっています。
 本研究所では、「2050年のサステイナビリティ研究委員会」等持続可能な発展を総合的に検討し、人類社会の繁栄衝平の実現に向けた環境と開発問題の調和を研究してまいりましたが、近年は地球温暖化等の気候変動問題を中心に研究を進めています。
 気候変動対策は、京都議定書が2005年2月16日に発効したことにより仕組み作りから実施の段階を迎え、2008年からは温暖化効果ガス排出削減の約束期間が始まっています。
 気候変動問題はきわめて長期の課題であり、その究極的な解決のためには中国などの主要発展途上国とCO2最大排出国の米国を含めた地球規模の排出削減の枠組みをどう構築していくかが、今後の重要な課題となっています。
 地球温暖化問題に関して、本研究所はこれまで「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」や「気候変動枠組条約締約国会議 (COP)」等の会合に参加し、COPでの2013年以降の枠組みの交渉における検討材料のひとつとなるIPCC第4次評価報告書(2007年11月完成)の作成作業に積極的に関与してきました。また、京都メカニズムの促進に向けて、法律・会計上の処理などビジネスとの接点に関する国内インフラ整備、CDMの促進に関する課題 等の検討などを実施してきましたが、2013年以降(京都議定書・第一約束期間後)の地球温暖化防止のための国際枠組み作りとして我が国が提唱する「セクター別アプローチ」の検討などを通じて、地球温暖化問題への対策の有効な実施に向けて調査研究を進めます。

3.情報の収集及び提供
  地球産業文化に関する情報の収集、分析を行い、また、調査研究に関する報告書を作成、発表するほか、「GISPRIニュースレター」及び「GISPRIアニュアルレポート」(英文)をウェブサイト (Home Page http://www.gispri.or.jp) に掲載しています。