第6回会CDM理事会合報告(修正版)
2002年10月23〜24日
2002年10月29日
修正:2002年12月24日
文責:蛭田 伊吹 |
(1) 運営組織(OE)の認定について
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当初期待されていたCOP8でのOE指定はまず無理であろう。10月29日現在におけるOEの応募数は、アジア・太平洋地域から5社、西ヨーロッパ・その他地域から2社の計7社であり、それらAOE(Applicant
Operational Entity)の認定審査を行うチーム(CDM- AT)及び認定作業計画草案も決定された。しかしCDM-ATによるデスクレビュー及びオンサイト評価は12月末までかかる予定であり、その他の作業もゆっくりしたペースでしか進んでいない。
というのも認定審査に必要な"witnessing"の解釈や13 sectoral scopesの定義が明確でないため、「いつ」「どのように」「何回」のwitnessingを行えばよいのか等が確定していないのである。結局CDM-APが13
sectoral scopesの定義を作成し、procedural guidanceを改訂して次回会合(2003年1月)までに提出することが決定され、当ガイダンスについてのパブリックコメントも11月30日まで受け付けることとなった。
"witnessing"について具体的に決定されたことは以下の通りである。
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"witnessing"はコスト抑制のためにも各sectoral scopeの全工程・全要素でやる必要はないとされた。 |
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プロジェクト工程は1)確認(validation)2)検証(verification)・認証(certification)の2つに分け、1)と2)のwitnessの間に数年の時間があいても良いこととなった。つまりOEはプロジェクト工程毎に認定審査されることとなる。従ってまず確認活動について認定され、同時に2)の活動が可能だということを文書やオンサイト評価の際に証明することによって暫定的なDOEとして活動を開始出来る。 |
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その後プロジェクトを実際に検証・認証する際にCDM-ATによってwitnessされ、DOEとしての素質が認められれば正式なDOEとして理事会よりCOPに推薦されることとなる。 |
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WitnessingはAOEが作成した文書によって(documentary evidence)執り行ってもよい。 |
その他、AOEの申請料がUS$15,000と非常に高く非附属書I国のOEが申請を躊躇してしまう可能性があることから、非附属書I国からのOEに限って申請料の支払いを2回に分けることが出来、AOEは最初に50%、実際に認定され営業活動を始めるようになってから残りの50%を支払っても良いことが決定された(当初、100%支払えないことを"justify"しなくてはならないと記載されていたが、どのようにjustifyするかを更に決定しなくてはならない等非常に複雑になるため、その文言は削除された。)。また、CDM-ATの条約及び京都議定書についての知見が不十分であることから2003年3月に予定されている第9回CDM理事会会合と同時期にCDM理事会・CDM-AP・CDM-ATによるワークショップが開催されることが決定された。 |
(2) 小規模CDMプロジェクトについて
小規模CDMの様式及び手順に関しては特に議論されなかったが、METHパネルによって小規模CDM−PDD、簡易化された方法論のリスト、デバンドリングについてDecision
Treeではなく新しいgeneral criteriaが次回会合(2003年1月20〜21日)までに作成されることが報告された。また以上の件に関しても11月30日までパブリックコメントを受け付けることとなった。
(3) ベースライン及びモニタリングについて
小規模CDM関連の作業に加え、新方法論の提案について準備を始めると共に新方法論をレビューする専門家をUNFCCCサイト上で応募することとなった。専門家によるレビューは基本的に10日以内に行われるとされたが、短すぎるのではないかという意見が多く柔軟的に対応することとなった。現時点においてはまだ専門家がいないため、METHパネルがレビュー活動を代行するがこれは10日以内とは限らない。その他、事務局にCDMプロジェクト、専門家リスト、新しい方法論のリストなどのデータベースを作成・編集してもらっている。METHパネルとしてはCDMプロジェクトが開始される前に方法論等を作成するのではなく、プロジェクトが動き出し実際の方法論の評価等を経験することによって新しい知見を得たいとしている。
(4) CDM Project Activity Registration Formについて
プロジェクト参加者の名前リスト及びプロジェクトが該当するセクター(部門)を記載する点が追加された。(具体的にはCDMサイトのCDM理事会第6回会合報告書Annex2参照。)
(5) CDM登録簿について
国際取引ログを利用するような立体的なシステムにするか、蜘蛛の巣状のフラットなシステムにするかについてCOP8前に行われた登録簿のコンサルテーションで議論され、前者に決定された。CDM登録簿は他の登録簿の見本になるよう早期に開発することが求められており、2003年にも作業を始める必要性が確認された。
(6) CDMプロジェクトの登録料について
小規模CDMプロジェクトは手続きが簡易化されているためOEによる評価も簡単であるという点から、普通のCDMプロジェクトよりも登録料を低くすることとなった。また普通のCDMプロジェクトもクレジット期間の年間排出削減量(トンCO2換算)によって登録料に差異を設けることになった。
登録料の計算方法は以下の予測をもとに算出されているがあくまでも事務局の予測であり根拠は薄いと思われる。なお、年間CDMプロジェクト及び小規模CDMプロジェクトの登録件数はそれぞれ200件・100件と予測されている。
2003年におけるregistration cost(通常サイズ1件):
METHパネル |
US$ 7,500 |
(各会合4−5 methodologies/entities) |
Expertise |
US$ 7,500 |
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その他 |
US$ 500 |
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US$15,500 |
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Initial administration fee at registration stage ("Registration
fee")
Tonne of CO2 equivalent reductions per year over the crediting
period
(estimated/approved ) |
US$(*) |
小規模CDM プロジェクト(=<15,000) |
5,000 |
>15,000 |
10,000 |
>50,000 |
15,000 |
>100,000 |
20,000 |
>200,000 |
30,000 |
Based on the information provided in CDM-PDD the level of reductions
over the indicated crediting period will be estimated by the project
participants. The estimate shall be approved by the DOE.
(*)The registration fee paid will be deducted from the share of
proceeds due at issuance of CERs
(7) COP9までの会合予定
理事会会合 |
日程及び場所 |
第7回 |
1月20〜21日、ボン |
第8回 |
2月17〜18日、ボン |
第9回 |
3月17〜18日、ボン |
第10回 |
5月9〜10日、ボン |
第11回 |
6月16〜17日(SB18:6月2〜13日)、ボン |
第12回 |
8月4〜5日(COP9へ提出するレポートの作成)、ボン |
第13回 |
10月6〜7日、ボン |
第14回 |
11月27〜28日(COP9、COP/MOP1?)COP9と同じ場所 |
(8) その他
Rules of Procedure of the Executive Board of CDMについて
CDM理事会については特に透明性の問題が大きく取り上げられ、いくつか規約が付け加えられた。(詳しくはFCCC/2002/CP/3/Add.1参照)この文書に関しては、未だ議論の途中であり、最終版はこれから発表される予定である。
イランのMohammad Reza Salamat氏の辞任
サラマート氏が第6回会合限りで辞任したのに伴い、アジア地域から新しいメンバーが選出されることになった。
次回会合について
次回は1月20〜21日にボンにて開催される。オブザーバーの申し込み期限は12月30日17:00まで。また、次回のアジェンダに対する意見は12月23日まで。
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