地球環境
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決定書 13/CP.7

条約の附属書Iに含まれる締約国における、
政策措置での「グッドプラクティス」
[1]

締約国会議は、

国連気候変動枠組条約の関連条項、特に4条、7条2(b)項、および京都議定書の関連条項、特に2条、3条、7条を想起し、

また京都議定書発効後行われる、京都議定書の締約国の会合としての役割を果たす締約国会議の第一回会合で、京都議定書2条1(b)項に規定する政策措置の個別および組み合わせでの効果性強化に向け、協力を容易にする方法考察での準備作業を行うよう、科学的・技術的助言のための補助機関に要請した、その決定書8/CP.4を想起し、

さらにブエノスアイレス行動計画の実施に関するボン合意を含めた決定書5/CP.6を想起し、
決定書8/CP.4に基づいて2000年4月11日から13日に[2] 、また締約国会議の第6回セッション前半[3] での要請に基づいて2001年10月8日から10日に[4] 、コペンハーゲンで開催されたワークショップに関する議長報告に留意し、

これらのワークショップのスポンサーとなったデンマーク、フランス、ノルウェーの各国政府の貢献に深謝し、

政策措置の実施が、条約および京都議定書の目的達成に寄与することを認識し、

各国の状況に基づく政策措置の「グッドプラクティス」に関する情報交換が、条約と京都議定書の目的推進にとり価値あるものであることを認識し、

1. 特に、技術レベルでの経験を共有し情報を交換することにより、また各国の状況を考慮に入れることにより、京都議定書の2条1(a)項にあるような政策措置それぞれのそしてそれらを組み合わせた効果性を強化するため、京都議定書2条1(b)項に規定する、条約の附属書Iに含まれる締約国(附属書I締約国)間での協力を容易にする努力継続のため、京都議定書の締約国の会合としての役割を果たす締約国会議の第一回セッション開始まで準備作業を行うと決定する。

2. さらに上記1項に述べる作業は、科学的・技術的助言に関する補助機関 (SBSTA)の指針の下で行われるべきであり、特に全ての締約国、また適当であれば環境やビジネスでの非政府組織の参加するイニシアティブを通して行われるべきであり、さらに附属書I締約国により、全関連部門において、およびクロスカッティングな問題や手法上の問題において、施行される政策措置に関する情報交換も含めるべきであると、決定する。

3. この作業は、政策措置の透明性、効果性、比較可能性の改善に貢献するものでなければならないと、決定する。このため、この作業は下記を行うべきである。

(a) 附属書I締約国の国別報告書において、適切ならば基準や定量パラメーターを通して、政策措置に関する報告の透明性を強化し、また手法、特性、国情の問題を考察する。

(b) 気候変化の悪影響、国際貿易への影響、途上国締約国への社会的、環境的、経済的影響を含めた悪影響を最小限とする形で、附属書I締約国が推進してきた政策の実施方法に関し、条約の附属書Iに含まれない締約国(非附属書I締約国)の提供するこれら問題の関係情報を考慮に入れた上で、情報の共有をし易くする。

(c) 附属書I締約国と他の利害関係のある締約国の政策措置それぞれの効果性および組み合わせ効果性を増進するための協力について、さらなるオプションを明確化するための、締約国ならびに締約国会議の努力を助ける。

4. またこの作業は、決定書22/CP.7に従って行われる実証可能な進展についての情報報告で、その要素の検討にも貢献するはずであると決定する。

5.  事務局に対し、政策措置分野で積極的に活動する附属書Iならびに非附属書I締約国の国際および政府間組織と協調したSBSTAの指針の下で、ワークショップや副次的イベントを特に企画してこの作業を支援するよう求め、また当該組織に対し、適切ならば何らかのインプットを提供し、さらにその政策措置関連活動についての状況報告書を、SBSTA第17回セッションに提出するよう、求める。

6. 事務局に対し、本作業に関係して実施・企画された政策措置に関する情報を入手可能とし、また附属書I締約国により第3回国別報告書が利用可能となった時点で、そこに報告される政策措置についての情報を提供するよう、求める。

7. SBSTAに対して、本決定書に基づく活動から得られた初期成果をその第17回セッションで考察し、それらをさらなる活動検討の見地から、締約国会議の第8回セッションに報告するよう、求める。

8. 附属書I締約国および関心ある国際機関に対し、本決定書で明示されるワークショップならびに他の活動への必要な資金支援を提供するよう、求める。



[1]本決定書の内容では、「最善の実践行動(best practice)」という用語を、「良好な実践グッドプラクティス行動(good practice)」に置き換える。

[2] FCCC/SBSTA/2000/2.

[3] FCCC/CP/200/5/Add.2, section III. F.

[4] FCCC/CP/SBSTA/2001/INF.5