地球環境
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第11回CDM理事会会合 結果概要
2003年10月16〜17日 ドイツ・ボン

2003年10月23日
文責:蛭田 伊吹


1. OEの信任について
Kilani CDM-AP議長(南アフリカ)から現状について口頭で報告があり、以下の点が合意された。
CDM-APが提案していた、AEの申請内容が変更された場合の費用に関する説明(Annex 1)。
Annex 1 AEの申請内容が変更された場合の費用について
申請しているセクトラル・スコープ、法的地位、機関の所有権に変更があった場合:
1. CDM-ATが守秘義務及びnon-disclosure agreement(F-CDM-CA)に署名する前→無料
2. 1.の後だがオンサイト評価の調整前→CDM-AT1名の2日分の費用(US$400×2日)
3. 2.の後→新しい申請としての扱い(US$1,500)
AEの名前を変更する場合:
1. 法的地位に変更がない場合→無料。しかし、新名称、新名称が有効になる日、法的地位に変更のないこと、責任のある役員による署名が記入された正式なレターヘッド付の書簡を提出しなければならない。
どのような変更についても、変更事項を証明するinformation sheetを提出し、変更が反映された新しい申請文書を8部事務局に提出する。
 

ウィットネスの機会、及びそれとCDMプロジェクト活動との関係についての説明(Annex 2)。
Annex 2 信任手順におけるウィットネッシングの機会、及びそれとCDMプロジェクト活動の関係についての説明
1. 有効化のウィットネッシングとは、有効化報告書を提出するまでの機能を対象とする。
2. 有効化報告書は事務局を通してCDM-ATに提出する。
3. CDM-ATは、有効化報告書をCDM-APに提出する最終報告書のウィットネッシングの文献証拠の一部として検討する。
4. AEはCDMプロジェクト活動の登録要請を理事会に提出する前に信任される。
5. 一端信任されたならば、その機関(OE)は登録要請と共に有効化報告書を提出できる。
 

CDM-APの次会合(11月21-22日)にて、デスクレビュー及びオンサイト評価のプロセスについて報告書をまとめてもらい、それをCDMEB12(2003年11月27-28日)にて検討する。報告書にはCDM-APがindicative letterを発行しようとしているAEに関する情報も含まれる。
  現在のCDM-APメンバーが2期目(2004年1月1日〜2005年6月30日)留任の可能性を考慮した上で、CDMEBサイト上で2003年10月22日〜11月12日までCDM-APメンバーを募集する。
  事務局はメンバー志願者のリストを作成し、理事会はCMDEB12にて検討し指名する。(現在のメンバーもリストに含まれる。)

2. ベースライン及びモニタリング計画の方法論について
Becker Methパネル議長(フランス)より現状について口頭で報告され、理事会は以下の点について合意した。
新方法論の提出及び検討手順の修正(Annex 3)。
Annex 3 新方法論の提出及び検討手順の修正
(Methパネルとプロジェクト参加者との対話についてVersion 3への変更)
パラ9bisとterとして以下の内容が追加される。
新方法論提出締切日までに10件以上の提出があった場合、Methパネル議長は次回会合で何件検討しなくてはならないかを確認し、その他は次々回会合での検討に延期される。方法論は事務局が受け取り、完成していると確認した順番に処理される("first come first served" basis)。
理事会はMethパネルの作業量を考慮して新方法論の提出期限を変更できる。
パラ14(c)(d)は以下の内容に置き換えられる。(正式テキストはAnnex 3の原文を参照。)
Methパネルの仮提言をDOEより受け取ってから10日の間に、プロジェクト参加者はDOEを通して説明書を提出できる。専門的説明書(technical clarifications)にはPDD Annexes 3 &4の見直し(ハイライト版)も含まれていなければならない。これは事務局が受け取った後公開される。
10日以内に説明書が提出されない、又は仮提言が新方法論の承認を支持している場合、その仮提言は最終提言になり理事会に提出され、公開される。
上記修正点が反映されたVersion4はunfccc.int/cdmの"Reference/Procedures"に掲載される。
 

国家政策、及び/又は産業における政策と状況をどのようにベースラインシナリオを作成する際に考慮すべきかに関する提言をMethパネルに作成してもらい、CDMEB12にて検討する。(これは、ホスト国が条約の究極の目的に貢献することに影響を及ぼすような「ひねくれた」インセンティブを生み出すものではない。)
  承認済方法論の再フォーマット作業、方法論適用の一般化作業、及びいつくもある同じ分野の承認済方法論からプロジェクト参加者が合うものを選択するためのツールについて、Methパネルにいくつかのオプションを提言してもらい、CDMEB12にて検討する。
  AM001version01(Approved Methodology:承認済方法論。AM001はIncineration of HFC 23 Waste Streams。)の見直しについてはMethパネルにCDMEB12までに提案してもらう。
  新方法論については、NM0005rev(NovaGerar landfill Gas to Energy Project。 この方法論はセクトラル・スコープ13(廃棄物処理及び処分)の信任に関係してくる。)、NM0010rev(Durban Landfill-gas-to-electricity project。同上セクトラル・スコープ1(エネルギー産業)と13の信任に関係。)、NM0016 rev(Graneros Plant Fuel Switching Project。この方法論はセクトラル・スコープ4(製造業)の信任に間接的に関連。)、及びNM0019(A.T. Biopower rice husk power project。この方法論はセクトラル・スコープ1の信任に関係。)の4つが承認された。
  以上の方法論はそれぞれ、Methパネルが提案したタイトル、適用条件、その他の微修正、見栄え(presentation)を参考にCDMEB議長が再フォーマットを行う。再フォーマット版は、メールで理事会メンバーに送付され10日間のコメント期間を設ける。

3. CDMプロジェクト活動の登録について
CDM理事会は以下の点について合意した。
登録手順の修正(Annex 4)。
Annex 4 CDMプロジェクト活動の登録手順の修正
パラ3(c)は以下の内容に置き換えられる。(公式テキストはAnnex4の原文を参照。)
「登録の要請」はCDM公式サイトにて8週間公開される。サイト上及び news facilityを通して、事務局より登録の名前、登録申請の掲載場所、8週間の初日と最終日が告知される。また、事務局は登録申請が掲載された旨を申請したDOEに連絡する。
上記修正点が反映されたVersion02はunfccc.int/cdmの"Reference/Procedures"に掲載される。
 

PDDの公開に関する手順の修正(Annex 5)。
Annex 5 CDM M&Pパラ40(b)(c)に言及されているCDM-PDDの公開及びコメント受付手順について(Version02への変更)
以下の内容がパラ6(b)に付け加えられる。(公式テキストはAnnex 5の原文を参照。)
パブリックコメントはDOEが登録要請するまで、又はそのプロジェクト活動を有効化する予定がないと事務局に連絡するまで公開される。
上記修正点が反映されたVersion03はunfccc.int/cdmの"Reference/Procedures"に掲載される。
 

有効化評価の追加的説明(Annex 6)。
Annex 6 DOEによって確認されるべき有効化要件の追加説明
有効化を行うためにプロジェクト参加者に選ばれたDOEは、PDDやその他の資料を見直し、CDM M&Pパラ43-52にあるとおりプロジェクト活動によってそれがなかった場合よりもGHGの人為的排出量が削減されるかを確認しなければならない。
DOEは、有効化報告書を作成する際PDDに見込まれている排出削減の達成可能性について記述しなければならない。この記述が登録費の計算のベースとなる。
 

Georg Borsting氏(ノルウェー)、Xuedu Lu氏(中国)、Fareed Al Asaly氏(非附属書I国代表)に本件についてウォッチしてもらうと共に、CDMEB12にて検討できるよう以下の2点について提案を準備してもらう。
CDM M&Pのパラ12、13に関するCOPへの提案(参考ボックス参照)。
プロジェクトに関わっている各締約国DNAの、プロジェクトへのボランタリーな参加(プロジェクトがホスト国の持続可能な発展に貢献しているかを確認するなど)を承認する文書。
参考 CDM M&P (Decision17/CP.7) GISPRI仮訳より抜粋
12 認証排出削減量は、CDM事業活動の登録日以降に始まるクレジット期間に対してのみ発行されるべきことを決定する。
13 2000年付けで開始され、本決定の採択に先立って開始される事業活動は、2005年12月31日より前に登録の提出が行われていれば、CDM事業活動としての確認および登録に対し適格とされるべきことをさらに決定する。登録されれば、このような事業活動のクレジット期間を登録日より前に開始してもよいが、2000年1月1日よりも前であってはならない。

4. CDM登録簿について
登録簿関連議論のウォッチは、従来どおりSushma Gera氏(カナダ)及びXuedu Lu氏(中国)が担当し、登録簿のpre-sessional consultation(11月28-29日)の直前であるCDMEB12にて進捗状況について報告する。

5. SBSTAとの協力手法について
シンクCDM交渉の進捗についてEduardo Sanhueza氏(チリ)が口頭報告。
従来どおりSanhueza氏及びMartin Enderlin氏(スイス)がウォッチ担当。
SBSTAにおける将来の作業プログラム案に関する議論についてChow Kok Kee氏(マレーシア)が口頭報告。ウォッチ担当を継続することになった。

6. その他
資金
CDMEB12にて2004/5のCDM資金要件について検討する。
現在のところ19件のAEから支払われた金額はUS$285,000。今後も費用についてはモニタリングを行う。
メンバーシップ
ラテンアメリカ及びカリブ地域からのメンバーは候補者がいないため未定。COPに新しいメンバーを選出してもらうこととなった。
次回
CDMEB12は2003年11月27-28日に開催される予定。事務局は1日延長する可能性を探っている。
登録締め切りは11月6日。(※登録希望をcdm-info@unfccc.intに送信。)オブザーバーは従来どおり50名認められる。
その他
CDM理事会に送付された書簡/連絡に対しては、事務局より確認応答が送られる。また、理事会は書簡等に書かれている内容を検討しどのように取り扱うかを検討する。
CDM公式サイト上でFAQセクションを設立することに合意し、Borsting氏、Lu氏及びAl Asaly氏にフォローアップするよう要請した。

※ 詳細については、CDM理事会HPを参照のこと。
http://cdm.unfccc.int/EB/Meetings/index.html

以上