地球環境
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CDM理事会 第13回会合 主要事項報告
2004年3月24−26日 ドイツ・ボン

2004年4月5日
文責:蛭田 伊吹


1) 新議長・副議長(任期は2005年最初の会合まで。)
  議長 :John Shaibu Kilani氏(南アフリカ):兼CDM-AP議長
  副議長 :Georg Borsting氏(ノルウェー)

2) DOEの信任
  2つのAEが有効化審査(validation)フェーズにおいて信任された。
DOEとセクターは以下のとおり:
  JQA(日本)
    4.製造業
    5.化学産業
    6.建築
    7.運輸
    10.化石燃料によるfugitive emission
    11.ハロカーボン及びSF6の生産・消費によるfugitive emission
    12.溶剤利用
  DNV(UK)(4月6日現在4件のプロジェクト活動のPDDを公開しており、有効化審査を開始している。)
    1.エネルギー産業
    2.エネルギー配給
    3.エネルギー需要
    13.廃棄物処理・処分
  BVQI Holdings S.V.には新たにindicative letterが発行された。
  新スコープが追加された場合、追加された旨が公開されてから6ヶ月以内であればDOE/AEは申請費を支払わずに追加申請することが出来る。6ヶ月以降は通常の手続きに従って申請費も支払うこと。
  CMD-APメンバーの任期に時間差を設けることが認められ、委任条項の変更が行われた。任期は2年で、毎年2−3人のメンバーが入れ替わる。可能であれば、新しいメンバーは残留メンバーとは異なる地域から選定される。(2005年6月に自主的に又はくじによって2人交代させる予定。)

3) 新方法論の承認について
  14件の新方法論を検討。結果は以下のとおり:
  承認(再フォーマット作業・10日間のCDMEBによるコメント期間を経てサイトに公開される予定):
    NM0026→スコープ10(fugitive emissions for fuels)の方法論
    NM0032→スコープ13(waste handling and disposal)の方法論
  B評価(2004年4月7日までに再提出すれば第10回Methパネル会合(2004年27〜30日)で再検討される予定):
    NM0018、NM0020、NM0022、NM0024、NM0030、NM0031、NM0033、NM0034
  Methパネルで再検討:
    NM0017→CDMEBは、ベースライン方法論に、プロジェクトを行う前のデータ(ex-ante)からベースラインシナリオを推定したものを含まなければならないとし、パネルのA評価推薦を退けた。
  C評価:NM0025
  取り下げ:NM0027、NM0035→取り下げにより検討せず。
  Methパネル副議長には、Jose Domingos Miguez氏(ブラジル)が就任。
  Methパネルの委任条項は2004年7月から改訂される。改訂版(本文Annex 1参照)を元に、Methパネルメンバーを2004年4月7日から5月7日までCDM公式サイト上で募集し、リスト(現メンバー含む)にまとめたものをCDMEB14で検討・選定。なお、現メンバーの任期は7月まで延長。
  CDMEB14(2004年6月13〜14日)までにJean-Jacques Becker Methパネル議長(フランス)、Georg Borsting CDMEB副議長、Chow Kok Kee氏(マレーシア)の3名でCDM-PDDに寄せられたコメント等を参考にPDD改訂版案を作成する。
  Methパネルの作業量を軽減するために、CDMEBは、プロジェクト参加者に新方法論の申請文書の技術的な編集を完了させてから提出すること、承認済方法論を確認し同様の内容でないかを確認してから提出することの2点を要求するとともに、新方法論の提出手順を以下のように改定した:
  提出された新方法論について、2名の担当パネルメンバーが品質基準を満たさないとした場合、プロジェクト参加者に送り返す。
  communication procedure[1] は、Methパネルが暫定推薦を作成したものに限って利用できる。
  再提出を要請された(B評価)新方法論が大幅な変更に伴い、全体を見直しする必要があり追加的に人的・資金的資源が必要な場合、Methパネル議長はCDMEBにそれを連絡することが出来る。
  承認済方法論の再フォーマットに関する条項を作成する。
  小規模CDMプロジェクトの提案された方法論やカテゴリーをレビューするにあたって、CDMEBを支援するワーキンググループの委任条項をCDMEB14までに作成する。

4)  CDMプロジェクト登録について
  Goerg Borsting氏及びXuedu Lu氏(中国)から進捗報告あり。
  DOEが確認すべき有効化の条件(PDDを公開するタイミング、及びDOEがプロジェクトを却下する際の手順)について、以下のとおりに合意:
  DOEがPDDを公開しパブリックコメントを募集する。
  DOEは、PDD及び補助文書が有効化の条件を満たしているかを確認。
  コメント締切後、DOEが判断を下す。
  DOEがプロジェクト参加者にプロジェクトを有効と見なしたか否かを伝える。
  有効と見なした場合、DOEはCDMEBにプロジェクトの登録要請フォーム(F-CMD-REG)を、PDD・ホスト国承認・DOEがどのようにコメントに対応したかについての説明文とともにCMDEBに提出。
却下した場合、その旨を文書にしてCDMEBに提出。DOE及びCDMEBは却下されたプロジェクトに関連する資料を入手出来る。
  登録申請と平行して、有効化報告書(validation report)を公開する。

5) その他
  CDM登録簿
  事務局による複数のシステムの評価を見た上で、CDMEBはシステムの選定・開発作業に進むことを要請した。CDMEB14に進捗について再び報告。
  事務局がCDM登録簿の管理者(administrator)になることが決定。
  CDMEBにおける吸収源CDMの扱い
  Martin Enderlin氏(スイス)、及びEduardo Sanhueza氏(チリ)に吸収源CDMの方法論に関するワーキンググループの委任条項を作成要請。委任条項はウェブ上で採決され、公式サイトから募集される。CDMEB14に進捗を報告。
  次回及びその後の会合日程
  CDMEB14: 2004年6月13〜14日、ドイツ・ボン(SB20と同時開催)
(オブザーバー登録の締切は2004年5月24日)
  CDMEB15: 2004年9月1〜2日、ドイツ・ボン
  CDMEB16: 2004年10月21〜22日、 ドイツ・ボン
  CDMEB17: 2004年12月1〜3日、アルゼンチン・ブエノスアイレス

※ 詳細については、CDM理事会HPを参照のこと。
http://cdm.unfccc.int/EB/Meetings/
以上

[1] 新方法論の検討時にMethパネルが挙げた質問事項に対して、プロジェクト参加者が追加的に説明文を提出するプロセス。CDMEBによる判断を待たずにやり取り出来るため、承認までの時間を短縮することが出来る。