地球環境
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CDM理事会第14回会合(2004年6月12−14日 ドイツ・ボン)
検討事項(修正版)

2004年6月4日
文責:蛭田 伊吹


1) OEの信任
  CDMEB14では、CDM-APによる第3次プログレスレポート(3月8日〜5月22日までの進捗)が検討される。プログレスレポートには、AEの申請状況、専門家リスト、検討事項、デスクレビュー及びオンサイトレビューの改訂版報告フォーム(F-CDM-DOR)が含まれている。
  CDM-APは、新たに3件のAEに対し信任推薦しているが、名前は伏せてあり、CDMEBによる検討も非公開で行われる。
  会合と同時期に、前回信任されたDOE2件(JQA、DNV)とミーティングを行う予定。

2) ベースライン及びモニタリング計画の方法論について
  【個別方法論について】
  CDMEBに対するMethパネルによる推薦(Methパネル第10回会合の結果)
  承認推薦:NM0017、M0022-rev、NM0028
  見直し推薦:NM0034-rev
  Methパネルが暫定的に承認した方法論(更なる説明の機会が与えられているもの)
  NM0037、NM0039、NM0041、NM0042、NM0045
  方法論を「グリッド電力に取って代わる再生可能エネルギー」に関するプロジェクト活動の方法論として統合する方向で検討が進められている方法論(以下の新方法論に加えNM0001-rev、AM0005を統合予定[i] 。)
  NM0012-rev、NM0024-rev、NM0030-rev、NM0036、NM0043
  電力ファクター(electrical power factor)の専門家による追加的な分析が必要な方法論(Methパネルからもう一人レビューに参加してもらい検討している。Methパネル第11回会合で最終推薦を作成する予定。)
  NM0044
  時間の制約により検討出来なかった方法論(Methパネル第11回会合で検討予定)
  NM0031-rev、NM0038
  【その他】
  Methパネル第10回会合で合意された「グリッド電力に取って代わる再生可能エネルギーの統合された方法論」[ii] 、及び「メタンガス回収活動の統合された方法論」 [iii]について検討。
  Methパネルは、プロジェクトの追加性を証明するツールの統合作業及びCDMプロジェクト実施に正当でないインセンティブを与える国内政策についての検討を始めた。進捗が報告される予定。
  申請されたSSCの方法論及びカテゴリーをレビューするCDMEBの作業を補助するワーキンググループ(SSC working group)の委任条項の検討(Annex 1参照)。
  承認される方法論の質や承認にかかる作業量の問題を改善するための措置を検討。
  Methパネルメンバーが2期目を務めることを可能にする委任条項が認められたことで、次期のメンバー募集が行われた。現在84件提出されており、今回検討される予定。

3) CDM登録簿について
  事務局による登録簿開発に関する進捗が報告される予定。(Annex 3参照)
  登録の開発は、phased approachで進めることになり、まず開発者と契約を結んでから登録簿の運営者による運営手段[iv] を決定することとなる。
  現在、事務局は登録簿の見積依頼書を作成しており、6月中旬に発表しオファーを募る予定。なお、CDM登録簿の導入は2004年10−12月頃を予定している。
  CDM規約(M&P)に基づきCERs発行時のレビュー手順をCOP/MOPに提出しなければならないことから、今回EBメンバーがこの業務に任命される予定。

4) その他
  【吸収源CDMの方法論について】
  Martin Enderlin氏及びEduardo Sanhueza氏によって作成された吸収源CDMの方法論に関するワーキンググループについては、委任条項がネット上でほぼ合意され、既にメンバーの応募が行われた。
  今回は、合意し切れなかった部分[v] の決定、及びメンバーの選定を行う予定。
  【CDMプロジェクト活動の登録について】
  Jean-Jacques Becker Methパネル議長、Georg Borsting氏、Chow Kok Kee氏によるCDM-PDD及び関連ガイドラインの改訂について報告される予定(Annex 2参照)。
  【メンバーの退任】
  Hassen Tajik氏(アジアグループ)が退任の意思を表明。今後アジアグループのコーディネーターによって候補者が検討される予定。
 

詳細については、CDM理事会HPを参照のこと。
http://cdm.unfccc.int/EB/Meetings/014/index.html
以上



i 統合された方法論が承認されればAM0005はそれに取って代わられる予定。その後同じ分野に新方法論が提出された場合は、統合版方法論を改訂することで対処。
ii http://cdm.unfccc.int/EB/Panels/meth/Meth10_repan1.pdf 
iii http://cdm.unfccc.int/EB/Panels/meth/Meth10_repan2.pdf。なお、この方法論はメタンガス回収プロジェクトの承認済み方法論AM0002、AM0003、NM0010-rev、NM0021を統合したものであり、承認されればそれに取って代わられる予定。
iv 事務局は、CDM登録簿の運営にあたって、「管理」(規約の作成、ステークホルダーとのコンサルテーション、他の登録簿との取り決め、サービス内容合意書の作成等)、「アプリケーション」(毎日のアカウント管理、ユーザーのサポート及びトレーニング、ログのモニタリング、トランズアクションの見直し等)、及び「技術的サポート」(ハードウェアのメンテナンス、データベースの管理、バックアップ、リカバリー等)の3つを運営者の役割としている。それぞれの役割の実行手段は、登録簿の開発者を決定してから検討することとなっている。なお、検討結果によっては外部委託の可能性もあり。
v 合意できなかった部分は、名前(ワーキンググループかパネルか)、メンバーシップ、議長、他のパネル(特にMethパネル)との関係が挙げられる。