地球環境
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第17回CDM理事会会合 検討事項
2004年12月1−3日 アルゼンチン・ブエノスアイレス

2004年12月1日
文責:蛭田 伊吹


1) CDM-APの進捗
  AEの地域分布
  アジア・太平洋地域:9件(うち2件途上国の団体)
  西欧・その他地域:15件
  ラテンアメリカ・カリブ地域:2件(両件とも途上国の団体)
  CDM-AP14(2004年11月12−13日、ヨハネスブルグ)が行われ、その後第4進捗報告書が提出された。報告書の中には、(a)信任するにあたっての、各審査段階におけるウィットネッシング活動のデフォルト回数、(b)DOEの意思決定の質を維持するためのポスト信任システムを改善するオプション、(c)DOEに法的な障害がないことを確認する文書の提出等について提案されている。
  CDMEB17では進捗状況が報告される予定。

2) 方法論に関する進捗
  第8ラウンドに提出された新方法論案は23件、内19件がMethパネルによるクォリティーチェック評価を合格した。
  Methパネル第13回会合で検討された方法論は18件。以下の推薦状況を参考にCDMEB17で承認の可否が検討される:
  承認推薦:NM0017-rev, NM0037-rev, NM0038, NM0053
  見直し:NM0020-rev, NM0050
  不承認:NM0051,NM0058, NM0059, NM0060, NM0063, NM0064
  仮推薦:NM0040, NM0045-rev, NM0057, NM0061(CDMEB17では検討されない。)
  NM0062, NM0054に関しては、Methパネルで更なる検討が必要ということとなった。MethP14で推薦内容が決定される。
  見直しのため利用が保留されているAM0001については、Methパネル第13回会合(2004年11月8-10日)に検討され以下のとおりレコメンデーションが作成された。2005年2月23日までに理事会としての結論を出さなければならないため、CDMEB17で引き続き検討を行う。(以下レコメンデーションの概要)
  プロジェクトによってHCFC22の生産量が変化する場合、AM0001は既存のHCFC22生産量分にのみ適用する。
  既存の生産サイトとは、2003年末までに最低3年間稼動しているHCFC22生産施設を指し、既存の生産量とは過去3年間で一番生産量の多かった年の量を指す(CFCとのスイングプラントも考慮する)。
  AM0001は、既存の生産量分について以下のような条件の下で利用して良い。
  過去の年間排出率(HFC23/HCFC22)は2003年までの3年間の稼動期間から概算し、可能であれば直接計測したHCF23排出量のデータを利用する。
  年間排出率の不確実性を定量化し、削減量を計算する際には保守的な数字を利用する。
  ベースライン排出率は、3年間のうち最低のもので、[2%][3%]を超えないもの。データが手に入らない場合、現行における最高水準のベースライン排出率(1.37%)を利用する。
  なお、CDMによるHCF22生産量の変化分に関しては、更にCDMを利用してHFC23を破壊することは望ましくない。CDMを利用することで考えられる附属書I国から非附属書I国への生産移行による全体のGHG排出量増加や、CER販売によるHCFC22生産価格の低下やそれによるHCFC22の増産、CER販売目的でのHFCF22の生産等といった問題を回避するため、GEFなどの手段を利用するほうが望ましい。
  なお、新しくHFC23破壊プロジェクトに関する新方法論が申請される場合は、以下の点を考慮しなければならない。
  HFCF22の附属書I国から非附属書I国への生産シフトによる影響
  HCFC22の利用増加可能性、及び冷却媒体を選択する際への影響
  CERを得るためのHFCF22生産か否かの確認
  HFCF22生産プロセスの最適化への負の誘引になっているか否かの確認
  なお、京都議定書でカバーされる6ガス以外の扱い及びモントリオール議定書との関係についてはCDM理事会及び/又はCOP/MOPで検討する必要がある。
  承認済みの方法論(AM)の見直し手順については、前回Borsting CDMEB副議長によってコンサルテーションが行われたものの合意には至らなかったため、柔軟的なアプローチを念頭においてCDMEB17で議論を続け、最終案を作成することとなった。
  新方法論を検討プロセスの改善方法についてCDM-AP及びMethパネルの両議長が作成したペーパーを検討する。
  吸収源CDMに関する新方法論案は現在までに2件提出されている。吸収源CDMワーキンググループ(CDM A/R WG)は、次回の会合(2005年1月24-26日)で推薦を作成する予定。
  小規模CDMの方法論及びプロジェクトカテゴリーについて見直しを行うワーキンググループ(SSC-WG)におけるMethパネルからの代表メンバーはFelix Dayo氏及びDaniel Perczyk氏と選定された。

3) CDMプロジェクト活動の登録について
  9月1日〜11月17日までに5件の登録申請あり。内訳は以下のとおり:
  Brazil NovaGerar Lndfill Gas to Energy Project(0002):11月18日にCDM第1号として登録。
  Project for GHG emission reduction by thermal oxidation of HFC23 in Gujarat, India(0001)及びHFCDecomposition Project in Ulsan (0003):見直し要請されており、理事会は見直しするか登録するかを検討する予定。
  La Esperanza Hydroelectric Project及びCuyamapa Hydroelectric Project:両方とも小規模CDM登録申請。申請されてから4週間以内に見直し要請が出なければ自動的に登録される予定。
  承認レター(letter of approval)及び許可レター(letter of authorization)で網羅されるべき内容についてはCDMEB16で合意されたが、それに伴いCDM用語集も修正することが決定された。CDMEB17では、修正内容について合意する予定。

4) その他
  CDM登録簿について
  CDMEB16にて登録簿のデベロッパー(Perrin Quarles Associates Inc.)された。CDBE17では、フェーズ1のデモンストレーションが行われる予定。なお、Q&AセッションにもPerrin Quarles Associates Inc.担当者が出席する予定。
  CDM理事会メンバーの交替
  現行メンバーの任期は2005年最初の理事会会合直前まで。従って次期メンバーの選定はCOP10で行われる。


詳細については、CDM理事会HPを参照のこと。
  http://cdm.unfccc.int/EB/Meetings/017/index.html

以上