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ニュースレター
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1994年9月号 |
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21世紀のグローバルシステム(共創のシステム)シャープ株式会社 3000年位 続いた農耕社会も1775年頃には終末を告げ、1780年頃より産業革命を契機に工業化社会が始まり、1980年頃にはオイル・ショックを契機に高度情報化社会と称するものが始まったが、これも1990年頃にはコンピュータを始めすべてがダウン・サイジング現象を始めて、個人の自主的な価値感を尊重しながら、次の時代21世紀に向かって自主的価値感をもった個人のネットワーク作りに走ろうとしている。かかるフラクタル的現象が見えながら只今カオスの状態といえよう。社会の重点が、国家から社会・家庭に、そして家庭から個人に移りつつあるが個人は又生き、進化して行こうとしている。人間としての個人は生きて行くために本能を生かし、食料やエネルギーをネットワークによって獲得し高度の活動を行おうと努力している。そのためにも情報という無形のエネルギーをネットワークによって得ようといている。このことは熱力学の法則からも類推できることであり、その点情報も食料やエネルギーと同一の価値があると思う。 かくして個人の価値感を高めるためにも情報ネットワークは必要であり、そのために個人は情報を獲得しようとするし、それによって個人の価値感は止揚(アウフ・ヘーベン)され、更なる上の価値を求め、一種のグループ活動を起こす。更には相異する価値のものとネットワークを組み、止揚された目標に向かって進化して行こうと努力する。 かように人間は家庭をつくり、グループや社会をつくり、社会・国家をつくり、相異する価値感を持つグループ間のネットワークづくりを、更に進化した価値感を世界に求めて行こうとする。これがグローバリゼイション(グローバル化)であり、私はこれを小より大に至るまで共創システムと呼んでいる。 共創システムの情報による活力は次の様に言い表される。 対人関係(会話・会議・顧客訪問等)から得られるものと、個人で獲得するもの(独りで研究し考えてつくり出すもの等)と、社会に於いて過去に獲得されているものの総和が活力であると考える。 対人関係から得られるものは、人と人との関係であるから人口の二乗[(人口)2]に比例する。人口をN、比例定数をK1とするとK1N2になる。 又、個人で研究し、考えて得られる情報は、その比例定数をK2とするとK2Nになる。 過去の蓄積された情報をK3とすると情報の活力は、 K1N2+K2N+K3 となり、K1N2が人と人の対話で共創情報と云いK2Nが独創情報を表すことになる。 一般 にK1×(人口)2はK2×(人口)より大きい。ここに共創システムの重要性がある。 私は人類向上進歩のためにもこの共創システムを、世界的に広めて行きたいと思っている。 さて、これを実現しようとすると色々な障害や難関がある。 (1) 要素になる人間又はグループは、無私であること−自分だけ得をしようと考える(一方向性)ものは障害となる。 (2) 価値感が違っても目標が同一であること。 (3) 相手の立場や仕事の内容が理解できること−お互いに尊敬できる状況にあること。 (4) ネットワークが双方向性であること。 等が問題。 一方農耕社会−農業革命、工業化社会−産業革命を経て現在、個人ネットワーク社会へと移行しつつあるが、個人ネットワーク社会への移行を推進しているのがマルチメディア革命と名付けられている。即ち21世紀に向けてマルチメディア時代をつくろうとしている。 このネットワークの主体は、価値感を持つ個人の間の双方向性ネットワークを総称して、マルチメディアネットワークと称しているが、そのネットワークは技術の進歩と共に種々出現してくる可能性がある。 これらについては今後いろいろと紹介する機会があると思う。要は各個人の価値感を止揚して、目標−最終的には人類の繁栄に向かって更なる価値の創出に、人間は努力しなくてはならないと思う。
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