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ニュースレター
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1996年1月号 |
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特別講演会「温暖化する地球」報告1. 日時 平成7年11月6日(月) 13:30〜17:15
6. 概要 IPCCは、1992年11月から第二次評価報告書の作成に取り組んでいるが、本年12月中旬にローマで開催される第11回総会での採択にむけて、作業は最終段階にはいっている。10月にモントリオールで開催された第2ならびに第3作業部会の総会でそれぞれの作業部会の報告書が採択されたのを機に、題記講演会を昨年に引き続き(財)地球・人間環境フォーラムなどと共同で開催し、産・官・学の各界からの270名の参加を得た。 本年は特別講師にIPCC議長のバート・ボリン教授をむかえ、第1から第3各作業部会で作成に参加している諸氏からの各作業部会報告書の概要の紹介に加え、炭素循環を初めとする気候変動一般 についての講演が行われた。 各作業部会報告書の主なポイントは以下のとおり。 (1) 第1作業部会
前回の報告書作成以降での新たな知見で大きなものは、気候変動に影響を与えるのは温室効果 ガス(温暖効果)だけでなくエアロゾル(大気中の硫酸塩などの微粒子=冷却効果 )であることが解明したことである。温室効果ガスの効果にアエロゾルの効果 を併せて考えると、強硬な政策をとらないときの2100年までの気温上昇は2.0(1.0〜3.5)。C、海面 水位上昇は約50(15〜95)cmと温室効果ガスの影響のみで評価した前回の計算値3.0(1.5〜4.5)。C、約65cmを下回る数字となった。 (2) 第2作業部会前回の旧第2作業部会が担当した「影響と適応策」に関しては、国連気候変動枠組条約第2条の「気候系に危険な人工の影響を与えることを防止する水準」に有用な情報を与えることをねらいとして「脆弱性」ならびに「闇値」の解明に重点をおいて執筆がすすめられた。 前回の旧第3作業部会が担当した「緩和策」に関しては、「エネルギー供給」、「産業」に加えて「運輸」、「民生」の両分野においても検討がすすめられた、この分野においては、2100年まで極力定量 的な解析が試みられ、単なる豊作の列挙ではなく技術的に到達し得る範囲まで言明したことが大きな特徴といえる。 (3) 第3作業部会新第3作業部会では、前回の報告書でカバーしなかった「社会経済側面 の評価」に取り組んだ。同報告書では、第1ならびに第2作業部会が取り扱っている自然科学・工学の範囲を越えて、地域間ならびに世代間の公平性、適応・緩和へのコスト評価、政策手段の経済的評価などに取り組んだ。この分野での報告書は今後の世界的な方向のあり方に重大な影響を与えるものであるが、今回の報告書はあくまでもIPCCの目的を逸脱せず、各項目の科学的側面 からの評価を純粋に行っている。 |
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