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ニュースレター
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1996年1月号 |
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ベルリン・マンデートの行方についてベルリン・マンデートとは、1997年の第3回−気候変動枠組条約−締約国会議までに、2000年以降の先進国の温室効果 ガスの排出抑制および削減対策を、条約議定書またはその他の法的措置(これは条約の改定を意味している)によって、(1)政策と措置(対策)を詳細に定めること、(2)数量 化された抑制・削減目的(objectives)を設定すること、を指令(マンデート)の形で、第1回締約国会議(ベルリン)において合意した決議の一つである。(注:ベルリン・マンデートでは同時に途上国に対しては既存の条約上の義務−排出量 明細と対策の提出−を再確認し、その対策実施を促進することとし、新たな削減等の約束は導入しないこととしている。) この指令を検討・実現させるための機関として、アドホック会合"グループ"(とは言っても全締約国が参加できる)が組織され、これまでに2回の会合が開催された。内容的にはまだ政策・措置の羅列、政策・措置検討のための種々のアプローチ方法の提案、議定書の枠組み構成や含むべき要素の提案に留まっており、ボクシングで言えば「ジャブの応酬に終始している」と言ったところである。日本も含めいまだ有効打になりそうな提案をした国は無いようで、先進各国の美辞麗句を並べたステートメントを聞くと一見矛盾するように聞こえる話(例えば、各国間で差異のある負担を行う。但し、公平性を確保する。)も多く、各国は最終的にはまとまらないことを半ば意識してステートメントを出しているのではないか、との疑問を感じるほどである。しかし、黙っているとX年にY%削減と言った決まり方をしないとも限らず、今後の推移を見逃せないと共に日本からは我が国にとって不利(これまた定義が難しく、"経済的に"ということのみの考え方で良いかとの指摘もあるが……。)にならないような提案とその説得材料の提供が望まれる。 |
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