新委員会紹介「21世紀のインドと国際社会」
研究委員会
当研究所では6年度事業として行った「中国の行方と日本の戦略」研究委員会に引き続き、アジアの大国として今後の発展が期待されるインドについて、題記の研究委員会を行うこととし、これを昨年12月に発足させた。
以下その概略を紹介する。
1.研究委員会の趣旨
インドは、その国土・人口の大きさにおいて中国とならぶアジアの大国であり、国際社会において大きな発言力・影響力を有している。しかも、予想される今後の経済発展にともなって大きな市場の発生が期待されるとともに、地球的な規模における資源・環境面
への影響が増してゆくことが予想される。このようなインドという国が、今後、安定した発展を続けてゆくのか、あるいは、国際社会の不安定化要因となるおそれがあるのか。この点は日本にも大きな影響を及ぼすと考えられる。したがって、日本がインドに対してどのような関係をもち得るか、あるいは、インドのどのような動きに注目する必要があるか、という点については、十分な検討が必要であると思われる。
本研究委員会では、以上のような趣旨にたって討議・検討を行ない、以下のメンバー・研究項目に即して報告書をまとめることを目指してゆきたい。
2.研究委員会メンバー(五十音順 敬称略)
インドの投資環境の調査等の実績のあるさくら総合研究所環太平洋研究センター所長を座長とし、インドの経済・政治の研究者、ジャーナリスト等、幅広い分野にわたるメンバー構成となっている。
座長 飯島 健
さくら総合研究所代表取締役副社長
環太平洋研究センター所長
委員 石上悦郎 福岡大学商学部教授
伊藤正二 横浜市立大学文理学部教授
大野昭彦 大阪市立大学経済学部助教授
金子 勝 法政大学経済学部教授
小島 眞 千葉商科大学商経学部教授
島根良枝 日本総合研究所調査部研究員
下村恭民 埼玉大学大学院政策科学研究科教授
清 好延 日印調査委員会委員事務局長
鷹栖丈治 日本経済新聞社国際一部兼アジア部次長
つる見誠良 法政大学経済学部教授
林 薫 海外経済協力基金開発援助研究所主任研究員
広瀬崇子 大東文化大学国際関係学部教授
堀本武功 国会図書館専門資料部副部長
松本高明 青山学院女子短期大学講師
宮吉将光 さくら総合研究所環太平洋研究センター主任研究員
森本 敏 野村総合研究所政策研究センター主任研究員
3.研究の視点
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インドの安定と発展は日本にどんな恩恵をもたらすか。その不安定化と停滞は日本にどんな悪影響をもたらすか。インドの諸問題の中で、日本が注目すべきものは何か。
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インド自身が思い描いている世界秩序とはどのようなものか。また、そのために構築しようとしている国際関係の長期ビジョンとシナリオとは。また、インド自身はどのようなタイプの国作りを目指しているのか。そのための経済発展の長期ビジョンとシナリオとは。(インドの外交政策・経済政策等からインドの長期ビジョン、将来構想はどう読み取れるか。)
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インド発展の可能性と課題はどのようなものか。インド経済の強みと弱みはどのようなものか。経済自由化政策の今後はどうか。
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アジア・太平洋の国際社会を考える場合にインドがどう位
置づけられるか。インドの巨大さは、今後のアジアにおける日本のあり方にどのように影響するか。
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今後の国際関係の中で、インドは日本に何を期待し、日本はインドに何を求めるか。
4.研究項目と全体のスケジュール
7年12月 序章 インドを見る視点 事務局
8年 1月 第2章(1)インドの内憂と希望 清 委員
2月 (2)i市場経済と民間企業(産業面から見たインド) 伊藤委員
(3)経済自由化政策の今後 宮吉委員
3月 (2)v財政面から見たインド 金子委員
(2)vi資源の面から見たインド 未定
4月 (2)iv金融面 〃 つる見委員
(2)iiiインフラ面 〃 小島委員
5月 (2)ii農業面 〃 大野委員
(2)viiインドと南アジア経済 島根委員
6月 第3章(1)インド・中国関係 松本委員
(2)ASEAN・APECとインド 堀本委員
7月 (3)国際経済とインド経済 石上委員
(4)インドの政局当面の動向 鷹栖委員
8月 第4章(1)安全保障・核問題 森本委員
9月 第1章(2)インドの対外構想 広瀬委員
10月 第1章(2)iインド経済発展のシナリオ 未定
対インドODAの課題 林 委員
11月 第4章(2)環境・エネルギー・食料・人口 〃
12月 第5章〔提言〕のまとめ 座長・事務局