第11回IPCC総会
IPCC(Intergovernmental
Panel on Climate Change:気候変動に関する政府間パネル)の第11回総会が、1995年12月11日〜15日にイタリア共和国・ローマのサロン・ド・フォンテーンで、IPCC議長団、116カ国政府、8国連組織、5国際組織、25NGOなどの代表計303名の参加のもと開催された。日本からは、塚本通
商産業省参与(第2作業部会共同副議長)、浜中環境庁地球環境部長など計10名が参加した。当研究所からは、地球環境対策部課長津坂が第2作業部会サブグループAのテクニカル・サポート・ユニット代表として参加した。
会議の概要
開会
イタリア大統領出席のもと、イタリア環境大臣、WMO事務局長、UNEP事務局長、ローマ市長、IPCC議長から挨拶があった。
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作業部会報告書の承認
各作業部会共同議長から、作業部会での作業の経緯、作業部会総会での報告書の採択状況などの説明があった後、各作業部会の第二次評価報告書承認の審議が行われ、それぞれ異議なく承認された。
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総合報告の採択
今回の総会のメイン・テーマである「第二次評価報告書:総合報告書」について、21ページにわたる報告書案が文章毎に審議された。審議は、事前に寄せられた137ページにわたる各国政府・NGOからのコメントをもとに会場からの意見を加えて審議が進んだ。
当初「総合報告書」については、国連気候変動枠組条約第2条の「気候系に危険な人工の影響を与えることを防止する水準において、大気中の温室効果
ガスの濃度の安定化を達成する」ことに有用な情報を与えるための特別
報告として各作業部会報告書とは独立して作成されることになっていたが、結果
として各作業部会報告書にない記述はほぼ総て採択されず、結果として各作業部会報告書の要約集的なものとなってしまった。
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今後のIPCCの活動ならびに予算
1996〜97年ならびにその後の作業ならびに予算について審議が行われた。
今後の活動;5年程度毎に総合報告書を作成すること、国連気候変動枠組条約締約国会議(COP)からの要請に応えて特別
報告を作成すること、それに付随するワーク・ショップを開催することなどが決まった。
今後の予算;慢性的な資金不足状況を鑑み、本会合に並行して小会合が行われ、作業内容の見直しを含めて検討が行われた。作業は必要最小限とすること、国連のような分担比率によるのではなく引き続き各国の任意拠出によることなどが決まり、とりあえず1996年予算について承認された。
また、第三次評価報告書の作成にとりかかるまでの作業は、これまでの第二次評価報告書作成作業に関連することから、議長団については現行体制を延長することが決まった。
今回の総会での審議終了により、1992年11月から始まった第二次評価報告書作成の作業は大きな区切りを迎えたこととなり、IPCCはCOP3用の特別
報告書ならびに第三次評価報告書作成にむけて次の一歩を踏み出した。なお、今回採択された各報告書は、現在、最終校正にはいっており、3〜4月にかけて発行される予定となっている。