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ニュースレター
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1996年12月号 |
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委員会紹介:「共同実施研究委員会」1 共同実施活動についてこの委員会では、国連気候変動枠組条約に関連した共同実施活動について調査研究を行っている。ところで、この「共同実施活動」は、各国が有する地球温暖化防止に関する技術、ノウハウ、資金等を組み合わせることにより世界全体として地球温暖化防止対策を費用効果 的に実施することを目的としたものである。具体的な例としては、途上国においてエネルギー効率の悪い、結果 として温室効果ガスであるCO2を多く排出する設備を、先進国の資金や技術を移転することにより、改善するケースが考えられる。 このように「共同実施活動」はCO2等温室効果
ガス削減を目的に先進国から途上国への技術移転を促進する有力な手段と位
置づけられる。 2 研究の背景地球温暖化防止に関する国連気候変動枠組条約は1994年3月に発効している。この条約の中で「先進締約国が温暖化防止のための政策及び措置を他の締約国と共同して実施(共同実施(JI:Joint Implementation))することもありうる。」と規定し、「国連気候変動枠組条約第一回締約国会議(COP1)において共同実施のための基準に関する決定を行う。」旨規定している。 このため、95年3月から4月にかけて開催されたCOP1において、「共同実施」の基準等具体的進め方について議論しているが、共同実施による温室効果 ガス排出削減量をどう配分(クレジット)するか等については先進国と発展途上国との間で議論が収束せず、決定に至らなかった。 そのため、COP1では2000年までを試験期間(パイロット・フェーズ)である「共同実施活動(AIJ:Activities Implemented Jointly))」として実施しながら経験を積み、その進捗について国際的な検討作業を行い、2000年以降の「共同実施」に関する進展について包括的な検討を行うことを決定した。 このCOP1の決定を受け、日本政府も95年11月に「地球環境保全に関する閣僚会議幹事会」および「総合エネルギー対策推進閣僚会議幹事会」の合同会議において「気候変動枠組条約に係わるパイロット・フェーズにおける共同実施活動に向けた我が国の基本的枠組み (共同実施活動ジャパン・プログラム) 」を申し合わせている。さらに本年1月にはプロジェクトの申請に係わる「共同実施活動プロジェクト申請マニュアル( 手引き) 」、「プロジェクト申請書」、「プロジェクト評価ガイドライン」などを策定している。 さらに4月1日から6月10日にはプロジェクトの公募を行い、本年7月には11件の共同実施活動ジャパン・プログラム第1次プロジェクトが政府によって認定され、我が国においても共同実施活動が本格化することとなった。 3 研究の目的気候変動枠組条約ならびにCOP1の決定を受け、地球環境問題を研究している当研究所では、95年度( 平成7年度)に「共同実施活動研究委員会」を設置し、共同実施活動の推進策等の実施方策について研究を開始した。平成7年度では共同実施活動の実施のための枠組みの検討を行い、共同実施活動のプロジェクト評価のためのクライテリア、どのような案件が民間部門からのプロジェクト提案となりうるかの検討、提案に際してのインセンティブのあり方等について、文献調査も含めて分析・評価等の研究を行ってきた。 平成8年度については7月に共同実施活動ジャパン・プログラム第1次プロジェクトが認定されたことを受け、当委員会では、共同実施活動をさらに一層推進するための具体的方策について研究ならびに提案活動を行う計画である。研究期間については共同実施活動が2000年まであること、また共同実施の枠組みが今後、気候変動枠組条約関連国際会議において議論されて行くことになるため、当面
継続するものとし、本年度は8回/年程度の頻度で実施する予定である。 4 研究委員会メンバー(五十音順、敬称略)慶応大学商学部長の黒田教授を座長に、研究機関、財団、企業においてエネルギーおよび地球環境分野に関して第一線で幅広い活躍をしている諸氏を委員に、通 産省環境立地局環境政策課地球環境対策室等をオブザーバーとして委員会を構成している。 昨年度から継続しているため、委員については若干入替っているが、現在は下記の10名がメンバーとなっている。 座長 黒田 昌裕
慶應義塾大学 商学部長 5 平成8年度の主な検討課題
6 本年度の検討議題平成8年度として、11月現在で4 回下記の内容で委員会を開催している。
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