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ニュースレター
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1999年8月号 |
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COUNCIL | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
「ASEANを中心としたアジアの政治・社会システムと
1.研究委員会報告書「はじめに」より 東南アジア諸国連合(ASEAN)が設立され32年になる。この32年間の歴史の中で、ASEAN自身は多くの試練を経ながら、深化・拡大を続けてきた。一握りの弱小な国家群は微妙な協力関係を培いつつ、激動する国際関係の中で、所謂ASEAN方式と称される柔らかな思想と手法により、域内協力と統合、東南アジア地域秩序の形成などを実現してきた。 1989年以降、東西冷戦構造は崩壊し、ASEAN諸国は経済のグローバル化と普遍的規範としての民主主義の普及・浸透に直面 することになり、新環境への適応模索が開始された。大きなグローバリゼーションのうねりの中で、1997年のタイ通 貨危機に端を発した政治的・経済的混乱はASEANの構造的脆弱性を浮き彫りにした。 一方、ASEAN加盟国は発足当時の5カ国政府間協力組織から漸次増加を辿り、本年4月にはカンボジアが東南アジア10カ国最後の加盟を果 たし、成立したASEANテンは東南アジア全域を被う組織となった。この拡大により、域内国土総面 積はEU15カ国合計を大きく凌ぎ、また、人口では米国、EU、日本のいずれをも上回る規模となった。しかし、その経済サイズは三極に比べ余りにも小さく、さらに著しく大きな域内経済較差への深刻な懸念も指摘されている。また約30年間育んで来た域内グループとしての類似性・共通 性は、新加盟国での人権問題に象徴されるような政治的多様性に取って代えられ、改めてこうした多様性を包含しうる組織体への改質を目指す必要に迫られている。 こうした状況に対し、ASEANを中心とするアジアと日本の関わりが議論される機会が、ASEAN研究を長年手掛けて来られた東京大学・山影進教授、アジア政策に豊かな実務経験を持たれる通 産省・松島茂技術審議官、そして昨年9月に急逝した当財団・清木克男専務理事の間で持たれた。席上では忌憚のない意見が交換され、いくつかの大きなテーマが問題として提起された。 それらを列挙するならば、ASEANが新世紀において抱えるであろう諸問題にどう対応し、どのようにこれらを克服するのか、これまで採られて来た「ASEANウェイ」はグローバル化する新たな局面 でどの程度有効であるのか、国家単位で起こりつつある民主化やそのほかの政治的な変動がASEAN組織自体の方向性に如何なる影響を与えるのか、さらにはラオス、カンボジア等の「最貧国」、あるいはその加盟によって発生して来る南北問題にASEANがどう対応し、また、日本をはじめ域外先進諸国はどのような協力をするのか等である。 これらはいずれも単年で結論を導き出すことの難しい広さと奥行きを持っていることから、まず、グローバリズムとナショナリズムを対立軸に据えて議論を展開することとし、研究委員会設置の運びとなった。その後、委員会での議論への参加を心待ちにしていた清木専務理事は第1回委員会開催を待たずに急逝されたが、山影進委員長のもと、気鋭の第一線研究者と政策立案部門の志ある精鋭の諸氏に参集頂き、清新な研究報告と含蓄豊かな討論、示唆に富むコメントを披瀝して頂いた。 報告書は委員会参加の委員及び招聘講師による執筆原稿より成り、急激な変化を続けるASEANの実態を最新の情報と明徹な分析で明らかにし、今後のASEANの行方を予測するためのカギとなる知見を与えるものと確信する。 主査を勤めて頂いた山影委員長はじめ委員会参加のすべての方々に改めて深い謝意を表し、本報告書を亡き清木専務理事に捧げたい。 2.委員会名簿
(五十音順 所属・役職は1999年3月末日現在) 3.報告書目次 はじめに 序 章:(山影委員長) 第1部:変わりゆく東南アジア諸国 第2部:変わりゆくASEAN 第3部:変わりゆく日本の関わり合い 第4部:変わりゆくアジアの見方 4.平成11年度研究テーマ 上記報告書に盛られた成果を踏まえ、新たに平成11年度研究テーマ「東南アジア諸国の政治経済システムの変化と日本を含む地域協力の可能性」が設定され、引き続き山影委員長のもと、11人の委員で構成される委員会が7月に発足した。新委員会では、日本を含む広域的な地域主義の行方を展望し、日本の関わり方が議論されることになっている。 新委員会名簿
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