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ニュースレター
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2004年 3号 |
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Conference | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
平成16年3月16日(火)、17日(水)の2日間、マレーシア・クアラルンプールにおいて、「アジア地域における気候変動とエネルギーに関するワークショップ」が開催された。 本ワークショップは、日本政府と米国政府が協力して、アジア諸国におけるエネルギー問題と、気候変動問題に関する技術開発・普及や、市場メカニズムを活用した温暖化対策に関して意見交換・情報共有を図り、その課題解決を促進することを目的として開催された。 参加者は、日本10名、米国9名、中国・インド等アジア諸国の途上国20か国から61名の総勢80名に上り、活発な議論が交わされた。 日本からは、経済産業省 市川審議官をはじめ、地球室 坂本室長、下川氏、慶應義塾大学 石谷教授、東洋大学 久留島教授(NEDO主幹研究員兼務)、トヨタ自動車 笹之内部長、環境省 井上氏、外務省 大谷氏、GISPRI阿知波が参加した。 <概要> ワークショップは、初日に3つのパネルとグループディスカッション、2日目に3つのパネルとラウンドテーブルディスカッションの構成で行われた(アジェンダ参照)。 各パネルでは、「エネルギーセキュリティーの問題」、「技術開発について」、「気候変動に対する政策アプローチ」、「エネルギーとインフラ整備」等をテーマとして、政府の立場、民間企業の立場等から数多くのプレゼンテーションが行われた後、最後の、ラウンドテーブルディスカッションにおいては、
1.については、「途上国では、エネルギーと環境問題が必ずしも両立しないため、両部門が協力して共通の政策を打ち出すことが必要」、「情報交換とその情報を活用できる優れた見識が必要」、「エネルギーの安全保障及びそのための資金調達が重要」との意見が出された。 2.については、「石油価格がもっと高くなれば議論が進展する」との意見の他、「水素エネルギー、炭素隔離、より長期的には核融合技術の研究開発を一層進めるべき」、「再生可能エネルギーについて効率向上、コスト削減に努力すること」、「途上国にとって、供給コストをいかに下げるかがポイントである」等の意見があった。 3.については、「エネルギー部門は、民間で動かされる部分が大きいため、政府は民間にその方向性を提供する必要がある」、「エネルギープロジェクトを民間だけに任せるのではなく、政策で支援するべき」、「技術開発に向けた人間の知的資源、想像力の活用のためにも官民のパートナーシップをより強めていってほしい」等、官民パートナーシップの重要性を強調する意見が数多く出された。 <所感> 気候変動枠組条約締約国会合(COP)、IPCC総会等の国際会議とは異なり、地域は限定されているが、先進国の取組みについては、例えばトヨタ自動車の環境への取組みの基本姿勢、今後の開発目標等、より具体的な内容の話を聞くことができ、その内容に対する質問も多く出されていた。 一方途上国についても、例えばインドネシア政府からは政府の具体的な取組みについての報告、また企業としては、インドの風力発電会社の今後の開発見通し等の紹介があり、各国の目標とそれについての課題を聞くことができた。 今回のような、政府主導の民間も含めたディスカッションを今後も継続的に開催することにより、先進国にとっては途上国のニーズをより明確に把握できることとなり、一方途上国にとっては先進国の取組みを知ることができ、各国の政策へのインプットとなることから、アジア地域全体のエネルギーの安定供給、それに伴う経済の安定成長、また気候変動問題への前向きな取組みのきっかけになると考えられる。
<3月17日(水)>
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