アクラ気候変動会合 参加報告
「条約の下での長期的協力の行動のための特別作業部会第3回会合(AWG-LCA3)」および「京都議定書の下での附属書T国の更なる約束に関するアドホック・ワーキング・グループ第6回会合前半(AWG6 part1)」が2008年8月21日(木)〜27日(水)にかけて、ガーナ・アクラのAccra International Conference Centre(AICC)にて開催され、主に2013年以降の気候変動に関する国際的な枠組みに係わる議論が行われた。
会合風景
- (1)条約の下での長期的協力の行動のための特別作業部会第3回会合(AWG-LCA3)
- 本会合は昨年12月のバリにおけるCOP13において2013年以降の国際的枠組みを2009年までの合意を得て採択するために設置されたものであり、今回は第3回会合となる。
本会合では前回会合に引き続きバリ行動計画の5つの主要要素について議論すると共に、「セクター別アプローチ」「途上国における森林減少・劣化(REDD)」の2つのワークショップが開催された。
- バリ行動計画の主要要素についての議論の中では、複数の途上国から適応に関する制度組織や基金の創設を望む意見があった。また先進国からは近年の経済状況を考慮して附属書T国のリストの見直しを提案する声があった。その結果、9月30日を期限に各締約国から引き続き意見並びに提案を受け付け、それを事務局がCOP14までにまとめることとなった。
- セクター別アプローチに関するワークショップでは、各国から具体的な提案や意見が数多く示された。日本からは同アプローチが先進国の公平な国別総量目標定に寄与すると共に、途上国についてはセクター毎の優れた技術や慣行の移転を可能にするという説明があった。
- REDDについては、緩和行動を効果的にするために、ステークホルダー、地域コミュニティ及び先住民の参加が保証されるべきという幅広い意見があった。
- (2)「京都議定書の下での附属書T国の更なる約束に関するアドホック・ワーキング・グループ第6回会合前半(AWG6 part1)
- 附属書T国の第一約束期間以降の約束を検討するプロセスである。本会合は第6回会合前半となり、附属書T国が排出削減目標を達成する手段の分析(議定書の下での柔軟性メカニズム、土地利用・土地利用変化及び林業部門(LULUCF)、対象とする温室効果ガス等)等について議論された。
- 柔軟性メカニズムについては、各国の提案及び意見の確認が行われ、その結果として附属書T国の削減目標の達成に大きな影響がある項目とそれ以外の項目に整理された。大きな影響がある項目としては、クリーン開発メカニズム(CDM)における「二酸化炭素回収・貯留」「原子力」「セクターCDMの導入」、横断的課題における「収益の一部の拡大」などが挙げられた。
- LULUCFについては、各国からの提案の比較検討が行われ、変更可能なオプションという形で取りまとめられた。例えば議定書3条4項については、日本が主張するグロス・ネット方式の継続など4つのオプションが含まれた。
- 対象とする温室効果ガスについては、第二約束期間でも現在と同じバスケット方式を使用することで合意された。またIPCCの第4次評価報告書において新たに記載されたガスなどを対象とするか否かについて更に検討を行うことで合意された。
- (3)次回会合の予定
- 次回会合はCOP 14及びCOP/MOP4と並行して、2008年12月1日(月)から12月12日(金)の期間内にポーランド・ポズナニで開催される予定である。
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