シンポジウム・セミナー
メニューに戻る

IPCC第5次評価報告書に関する国際シンポジウム(緩和の政策、制度、資金)
International Symposium on
IPCC-AR5 focusing on Mitigation Policies,Institutions and Finance
一般公開シンポジウムについて

一般公開シンポジウムは延期とさせていただきます


2011年3月7日

1.背景

気候変動に関する政府間パネル(IPCC)では、約5年に一度、気候変動に関する世界の科学的な研究成果をとりまとめ、評価報告書を策定しています。2007年にとりまとめられた第四次評価報告書は、今後の世界の気候変動の対応について複数のシナリオを提示。現在行われている、気候変動枠組み条約交渉にも大きな影響を与えています。

他方、気候変動の国際枠組みの交渉では、昨年末の気候変動枠組み条約締約国会合(COP16)において、米中も含めた新たな枠組みの基礎となる、カンクン合意が採択されました。同合意では、従来のトップダウン型の京都議定書と異なり、各国が自ら目標を設定し、柔軟かつ透明性の高い計測・報告・検証制度を通じて互いに評価し合うといった、ボトムアップ型の枠組みへの途が開かれています。

今後の交渉では、この新たなアプローチによる制度設計の具体化が議論されていくことになりますが、こうした検討において、現在の状況及び将来の見通しを客観的に見据えた、現実的かつ客観的な科学的評価・知見の提供は、引き続き、大きな役割を果たしていくと思われます。

現在、IPCCでは、2014年の完成をめざし、次なる第5次評価報告書の執筆作業が開始されようとしています。その中では、まさに、ボトムアップ型の枠組みとトップダウン型の枠組みの取組をどう融合させていくかが、すでに大きなテーマとなっているなど、条約交渉における問題意識を、先取りするような議論が行われています。最終的にとりまとめられた報告書は、新たな枠組みの具体化や、更には2020年以降の枠組み作りに対しても、非常に大きな影響力を持つと思われます。

このため、経済産業省では、IPCC評価報告書の執筆を担う科学者が、将来の国際的な議論への貢献に向けて、どのような問題意識を持ち、どのような方針で取り組もうとしているのか。今、まさに執筆活動が始まろうとしているタイミングをとらえ、実際の執筆者を中心にIPCCに関わる内外の研究者を招へいし、気候変動の科学を巡る最新動向に関する公開シンポジウムを開催することといたします。



2.開催日時・場所等

1. 日時 2011年3月16日(水) 10:00〜12:00
2. 場所 霞山会館「霞山の間」
〒100-0013 東京都千代田区霞が関3−2−1
霞ヶ関コモンゲート西館(霞山会館ビル)37階
(主催:経済産業省  事務局:財団法人地球産業文化研究所(GISPRI))


3.プログラム等

プログラム (日英同時通訳)
開会挨拶 10:00〜10:10
経済産業省
講演 10:10〜10:25
IPCC第3作業部会共同議長 オットマー・エデンホーファー氏
10:25〜10:40
地球環境産業技術研究機構副理事長 茅 陽一氏
前日の非公開セッションの報告 10:40〜10:55
ハーバード大学教授 ロバート・スタバンス氏
10:55〜11:10
電力中央研究所 主任研究員 杉山 大志氏
パネルディスカッション パネリスト
IPCC第3作業部会共同議長 オットマー・エデンホーファー氏
IPCC第3作業部会共同副議長 カルロ・カッラーロ氏
IPCC第3作業部会共同副議長 アントニーナ・イワノワ・ボンチェヴァ氏
ハーバード大学教授 ロバート・スタバンス氏
地球環境産業技術研究機構副理事長 茅 陽一氏
電力中央研究所上席研究員 杉山 大志氏
コーディネーター:
産業技術総合研究所客員研究員 関 成孝氏


■参加のお申し込み:
3月11日に発生した地震の影響により、公開シンポジウムは延期とさせていただきます。

■お問い合わせ先:
財団法人 地球産業文化研究所 水越(みずこし) まで
mizukoshi@gispri.or.jp
TEL: 03-3663-2500


※IPCCとは
気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は温暖化による気候変動のメカニズムと環境上・社会経済上の影響、及びその対応策を評価し、客観的な科学・技術・社会経済情報を、政策決定者を始めとして広く公共に提供する政府間機関(本部:ジュネーブ)。



■講演者・パネリスト等

氏名
(出身国)
オットマー・エデンホーファー
Dr. Ottmar Edenhofer
(ドイツ)
現職 ポツダム研究所副所長
IPCCでの役割 第3作業部会共同議長
主な経歴 1999年 ダルムシュタッド大学経済学博士号取得
2005年〜 ポツダム研究所チーフエコノミスト
2007年〜 連邦外交オフィス気候変動アドバイザー
2007年〜 現職
2008年 ベルリン技術大学教授・気候変動チーフエコノミストに任命


氏名
(出身国)
アントニーナ・イワノワ・ボンチェヴァ
Prof. Antonina Ivanova Boncheva(メキシコ)
現職 南バハカリフォルニア自治大学教授
南バハカリフォルニア州APEC研究センター所長
IPCCでの役割 第3作業部会共同副議長、第13章(国際協力:合意と措置)RE
主な経歴 メキシコ自治大学博士取得
2007年に英国ブラッドフォード大学において平和研究に関するポスドク研究を終了。ベルギー学術協会、サンディエゴ州立大学、ノースリッジ大学、ブラッドフォード大学、及び、鳥取大学の客員教授をつとめる。


氏名
(出身国)
カルロ・カッラーロ
Prof. Carlo Carraro
(イタリア)
現職 ベネツィア大学学長、環境経済・統計学教授
Fondazione Eni Enrico Mattei (FEEM) 科学アドバイザリーボード議長
IPCCでの役割 第3作業部会共同副議長、第16章(クロスカッティングな資金・投資問題)RE
主な経歴 1985年 プリンストン大学経済学博士取得
2001年〜2006年 ベネツィア大学研究マネジメント・政策副学部長
2002年〜2005年 大学間ナノテクノロジーコンソーシアム(CIVEN)理事
2006年〜2008年 ベネツィア大学経済学部長
2008年〜現職


氏名
(出身国)
ロバート・スタバンス
Prof. Robert N. Stavins
(米国)
現職 ハーバード大学JFケネディ校アルバート・プラット教授
IPCCでの役割 第3作業部会第13章(国際協力:合意と措置)CLA
主な経歴 1988年 ハーバード大学経済学博士取得
1997年〜1998年 ハーバード大学公共政策教授
1997年〜2002年 米国EPA環境経済諮問会議議長
1998年〜 現職
2007年〜 「気候変動の国際合意に関するハーバード・プロジェクト」ディレクター


氏名
(出身国)
茅 陽一
かや よういち
(日本)
現職 地球環境産業技術研究機構 副理事長
IPCCでの役割 IPCC国内連絡会座長
主な経歴 1962年 東京大学大学院博士取得
東京大学講師、東京大学助教授を経て、1978年東京大学工学部電気工学科教授、1995年に定年退官し東京大学名誉教授。同年より慶応義塾大学教授となり、1998年より地球環境産業技術研究機構副理事長兼研究所長。


氏名
(出身国)
杉山 大志
すぎやま たいし
(日本)
現職 財団法人 電力中央研究所 社会経済研究所 上席研究員
IPCCでの役割 第15章(国内・国内小地域政策)CLA
主な経歴 1993年 東京大学大学院工学研究科物理工学修士了
1993年 (財)電力中央研究所入所
2004年  IPCC第四次評価報告書第三部会リードオーサー
2005年 産業構造審議会環境部会地球環境小委員会市場メカニズム専門委員会委員
現在 電力中央研究所 社会経済研究所 上席研究員