グローバリゼーションの進展とともに、地球環境問題,人権問題,飢餓・貧困問題,地域紛争とその後処理の問題等々、一国政府の役割範囲・国境を超えるグローバルな課題が増えつつある。 一方、企業を取り巻く社会環境も変化し、経済基本主義の発想ではなく、社会的責任を負うべき主体として 企業を捉える機運が欧米社会を中心にひろがりつつある。途上国において低賃金の児童労働で事業を進めていたスポーツシューズメーカーが製品ボイコット運動の標的になる一方で、ドイツに本社をおく多国籍企業が、米国の生産拠点における人材獲得のために、地元NPOの協力を得ながら教育プログラムを提供する、といった社会貢献活動がすでに経営戦略の一環として組み込まれる時代となっている。 こうした事例に見られるように、公益性を持った、或いは公共的な課題に対して、政府セクター或いは企業セクターにはNPO/NGOをパートナーとする協働的な取組みが有効との認識が定着しつつある。 NPO/NGOを主体とする非営利セクターと政府セクター或いは企業セクターとの協働(コラボレーション)がさまざまな課題に対して新しい解決の道筋を与える可能性はあるものの、より効果的に成果を生み出すためには、協働の進め方、パートナーシップの考え方など一段の改変の余地がある。 |
国際的な活動、或いはグローバルシステムと密接な関係のある課題に取組むNPO/NGOのさまざまな協働実績及び協働の試みを取り上げ、異なるセクター間の境界領域での問題点(摩擦要因、阻害要因)、或いは有効な要素(成功要因)を明らかにしコラボレーションモデルの構築を目指す。 1.事例報告・解析 経済開発協力、災害支援、地雷除去プロジェクト、新エネルギー技術開発、企業評価、政策提案など これまで、活動実績、研究実績をもつ組織・機関から講師を招聘し、事例報告を受ける。サブトピックスとして次ぎのようなタイトルが予定されている。
2.上記事例について (1)協働遂行に伴って浮上、判明したセクター間の摩擦要因、協働の阻害要因とは何だったのか (2)どう克服したのか (3)成果はどのように評価されたのか (4)より望ましい協働のあり方とは如何なるものか などを検証する。 3.さらに (1)今後的確な連携・協働が進められる上で如何なる仕組みが考えられるのか。 (2)この分野の先進国米国・EUでの事例から何を学ぶことができ、何が導かれるのか。 などについて考察する。 委員会名簿(敬称略、五十音順) 委員長
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