10月23日に東京都立大学経済学部 大塚啓二郎教授を委員長とした標記委員会の第1 回会合を開催し具体的な活動を開始した。以下概要を紹介する。
近年、途上国においては大気汚染を初めとする公害問題が深刻化し大きな社会問題とな
っている。また今後21世紀初頭には途上国の人口増加、都市への人口集中がより一層進むことが予想され、貧困問題など種々の問題の深刻化が危惧されている。
従って途上国においては、遠い将来に予想される地球温暖化問題の影響よりも、今まさに直面
している貧困、公害、都市問題等などの対策が優先課題となっている。
一方、日本を初めとする先進国はいわば公害問題の先進国でもあり、経済発展と引き替
えに、大きな代償を支払って克服して来たともいうことができる。従って現在の発展途上
国の国々には、この公害先進国の轍を踏むことなく、経済発展を押し進め、社会の繁栄を
築いていってもらいたいと切に願っている。また特に日本は、省エネルギーや公害防止に
関する技術では世界の中でも秀でており、今後の途上国の発展が持続的発展に結びつくのためには日本の技術を途上国に移転することが、重要なキーポイントとなる。
この緊急性の高い目の前の問題解決に、先進国として如何に貢献し、その後に控えている地球温暖化問題への途上国の理解をどのように得るかは、21世紀初頭の大きな課題である。
[研究内容](予定)
(1)
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国際交渉の現場の情報 CDM(や排出量取引)の途上 先進国の論点整理 |
(2)
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研究動向と成果の情報 地球温暖化文献のサーベイ 途上国の参加問題の議論に資するCDM等に関する既存研究調査(特に定量 的分析) |
(3)
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CDMのFeasibility 植林の潜在的便益 電力等、技術移転の可能性 |
[分析視点・方法](予定)
(1)
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上記調査を踏まえた既存研究の評価 |
(2)
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予想されるCDM制度」が、途上国(ホスト)、先進国(ドナー)、 さらに世界全体に与 える影響の分析・評価。 |
(3)
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世界の全ての参加者が満足するような途上国の参加方法。 |
[委員会構成]
委員長: | 上記調査を踏まえた既存研究の評価 |
委 員: | 明日香壽川 (東北大学東北アジア研究センター助教授) 松枝法道(関西学院大学経済学部助手) 矢口 優(国際開発高等教育機構(FASID)/政策研究院(GRIPS) 大学院共同プログラム研究助手、 東京都立大学大学院社会科学研究科博士課程)、他(交渉中) |
(委員会事務局 寺田 隆)
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