2月13~15日まで、東京(国際交流基金 国際会議場)で、標記会議が開かれ、当研究所から職員が「環境保護および持続可能な発展に向けて」分科会に出席し、議論に加わったので、その一端をご紹介する。
1996年2月から3月にかけて、GAP-国際公益活動研究会が、5つの公益法人のプログラム・オフィサーが中心となり、アジア太平洋の10ケ国/地域(中国、香港、インド、インドネシア、韓国、マレーシア、フィリッピン、シンガポール、台湾、タイ)を訪問し、公益団体間の協力を探る調査を実施し、報告書がとりまとめられたが、そのフォローアップとして、これら地域から45人が集まり、日本からの45人の参加者とともに「未来へのビジョン:アジアにおける国際公益団体の協力の可能性」について、広範な議論を行ったものである。
環境に関する分科会では、アジアの地域の実情を踏まえ、いわゆる環境NGO(一部の国では反体制ととらえられるので、NPO…非営利法人 という)が、個別 でなく、連帯して何を行うかの議論が開始されたことが、まず特筆される。これについては、今後も同様の会議を継続すること、3つ程度の共同研究テーマを決め、分担して研究し、その過程や結果 を3ケ月に1回程度の頻度で情報交換する等の協力関係が始まった。
詳細は、徐々に固まるものの、持続可能な発展に関する研究を、各国の既成のモデル比較、施策への反映度合い、ビジネスを含む関係者の役割を調査・研究することになり、日本では当研究所も参加し、特にビジネスセクターでの取り組み等が集約されることになりそうである。
今後、環境NGO(NPO)が、各国政府へまた企業へその意見・考えを伝え、政府等の施策に反映させる機会の増大が、今回の国際会議の波及効果 として考えられる。
印象の域を出ないが、今回参加したアジアの有識者は、誰もが日本の官・民の影響力の多さに言及しており、さらに日本企業の地域での環境保全に配慮した活動の継続に大きな期待を抱いていたことを付け加えておく。