チャイナカウンシルは、環境と開発に関する中国と国際社会の協力促進を目的として1992年にスタートした。本委員会は6つの作業部会での活動報告、今後の進め方を議論し、結果 を中国政府への提言としてまとめている。第5回チャイナカウンシルの会合は上海において9月23日から25日まで、宋健議長、ラベル、曲格平、顧明副議長をはじめカウンシル・メンバーの参加を得て開催された。当研究所から福川顧問、清木専務理事、兼先課長が出席し、また途中から通 産省代表として中井NEDO北京事務所長がオブザーバー参加した。
今会合の趣旨は96年までのPhaseIのレビューを行うとともに、1997年から2002年までのPhaseIIの展望を行うことにあった。PhaseIについては、本カウンシルの活動が中国及び国際社会に有益な貢献をしたという議長報告および事務局報告が了承された。またPhaseIIについてもカウンシルやワーキンググループ(WG)のあり方について、PhaseIの構造を踏襲することが確認された。
またワーキンググループについては、現在の汚染制御、モニタリング、エネルギー、生物多様性、リソースアカウンティング、貿易と環境の各WGを継続するとともに、科学・技術WGを持続可能な農業とクリーナープロダクションの2つのWGに分けることが了承された。なお運輸・交通 については独立のWGを設立せず、エネルギー等の既存のWGの中で研究が行われることとなった。
本カウンシルは9月26日、北京で李鵬首相に会見しWG活動の成果 に基づき提言を行った。貿易と環境に関する提言として、技術移転の促進・温室効果 ガス削減のためAIJを活用する旨が述べられている。これは中国国家環境保護局およびEU、ノルウェー等の国際メンバーの強い示唆で提言に入れられたものであり、これを契機に中国政府内でAIJに関するポジションが本格的に議論されることになれば、意義深いものとなると考えられる。