平成7年10月に千葉県幕張で開催された、世界エネルギー会議の締めくくりとして、10月13日(金)に標記セミナーが開催された。前半は日本のエネルギー業界代表者による業界別 のエネルギー問題への対応策が、後半はアジアを中心とする各国のエネルギー担当大臣による日本のエネルギー協力の今後の在り方がパネル討議された。
その中で今後のエネルギー受給に関しては、途上国の経済成長を背景に、中長期的にはかなり遍迫する見通 しが示された。今後数年の内に東アジアでもいくつかの国が、需要増を背景にして従来のエネルギー輸出国から輸入国に転換する。一方では、自国の経済成長をいっそう高めるために、エネルギー・インフラ分野においても外国から直接投資を呼び込もうとの動きが活発化している。アジア各国のエネルギー担当大臣の話の中でも、いかに自分の所が直接投資に優れているかという点をアピールする部分が多かった。
今後東アジアにおいては、世界の中で経済成長率が高いだけに、エネルギーの安全保障の問題が急浮上してくると思われる。その際に考えるべきこととして、(1)巨大なエネルギーソースは中東にしかなく、東アジア全体として西のイスラム諸国との関係をどう捉えるのか、(2)市場経済の効率とエネルギー安全保障の整合性をどうとるのか、(3)これらを話し合う場がAPECで本当によいのかという3点が挙げられる。