本年2月上旬、SEI Board Meetingが開催され、今回当研究所清木が河合三良国際開発センター理事長の後任として、Board
memberに選任されたため、第一回目として出席した。
Board Meetingの日程は2日間、第1日目はセミナー風にSEIの活動の現況について、本部及び新たに設立されたタリン支部の責任者より、説明を受け、第二日目は一日かけて各種議題をBoard
Meetingとして討議した。今回の最重要テーマは今後のSEIの活動の重点は何かという点で、当面
イタリアのコロンボ委員(現科学技術大臣)や英国のグッドマン委員(初代所長)から、環境と雇用、環境と経済について、本格的な分析等の必要性が提起されたことが注目された。小生からも、国際的にこうした研究が重要性を増していることについて賛意を表するとともに、特にSEIの活動をグローバルなものにするために、今まで、同所においても比較的看過されていたアジアの開発と環境の問題について、研究を推進すべきではないかと指摘しておいた。
SEIは設立後5年、これまでスウェーデン政府の相当な支援のもとに業務を推進し、国際的な名声を獲得してきたが、今後は当所の予定どおり、又スウェーデン政府の財政問題も重なって、急速に政府財政支援の割合が減ることになつている。
このため同所では、「Save and Raiso」を旗印に、今後の活動の質の維持、拡大に努めようとしている。同所の業務はPOLESTAR(持続可能性についての長期的視点にたった研究)や気候変動に対する途上国のための計画立案の知的支援、WRIのSustainadilfty
2050への協力等、当研究所の業務と密接な関連を持つ業務を遂行しており、更にこうした活動を支える国際的なスタッフも充実している。本年6月末同所のマイク・チャドウィック所長が来日し、同所のアジアや日本での活動を進めることになつているが、当研究所としても、上記の諸事情を勘案すると今後SEIとの協力を積極的に行っていくべきものと考える。
(清水克男)