本年6月上旬、地球温暖化対策に関するUNEP国際会議がコペンハーゲンに於いて開催された。この会議はデンマークのRISO国立研究所内に在るUNEP(エネルギー環境協力センター)が10か国(ブラジル、デンマーク、セネガル、タイ、ジンバブエなど)の協力を得て実施した「GHG'
S Abatement Costing Studies」が終了したことを期して、そのプロジェクト成果
の広報と世界各国の地球温暖化対策(行動計画)の分析とそのレベルの向上を意図して開催されたものである。
IPCCが温室効果ガス、地球温暖化、気候変動に関する科学的知見の編集と評価を行うのに対して、GHG'
S Abatement Costing Studiesは温室効果ガス排出削減対策の経済的コスト検討に関する、国際的に共通
な方法を考案する目的で1991年にUNEPによって始められたプロジェクトである。調査方法はUNEPが温室効果
ガスのミニマム削減目標、エネルギー価格等の前提条件を定め、それに基づいて各国が排出傾向、削減コスト、削減対策についてまとめ、その報告をさらにUNEPが包括的にまとめるという方法が採られた。
会議では1.科学・経済・政策
2.戦略:技術と政策のオプション
3.気候変動緩和策とコスト評価
4.国別排出削減コスト評価
5.国別行動計画:将来の分析と政策上の問題
と冠した5つのセッションで先進諸国、発展途上国半々の発表が行われた。欧米諸国、開発途上国共に発言が意欲的で、日本・中国など東アジアも諸外国に自らを良く理解して貰う意味から、このような場でのより積極的な対応が必要と感じられた。