2007年5号

IPCC第27回全体会合参加報告


 気候変動に関する政府間パネル(IPCC:Intergovernmental Panel on Climate Change)の第27回全体会合がスペイン・バレンシアで開催された。
 本会合では、これまでに公表された第1作業部会報告書(自然科学的根拠)(2007年2月)、第 2作業部会報告書(影響・適応・脆弱性)(2007年4月)、第3作業部会報告書(気候変動の緩和策) (2007年5月)に続く、統合報告書(Synthesis Report)が承認・公表された。これにより、IPCC第4次評価報告書が完成した。

【IPCC第27回全体会合】
  □ 期間: 2007年11月12日(月)~17日(土)(6日間)
  □ 場所: El Museo de Ciencias(スペイン・バレンシア)


写真-会場全景

写真-プレナリー風 景

【IPCC第4次評価報告書(統合報告書)の概要】
・第1作業部会、第2作業部会、第3作業部会の報告書をまとめた統合報告書の主要なメッセージ は次のとおり。

気候システムの温暖化には疑う余地がない。このことは、大気や海洋の世界平均温度 の上昇、雪氷の広範囲にわたる融解、世界平均海面水位の上昇が観測されていることから今や明白であ る。
温室効果ガスの排出が現在以上の割合で増加し続けた場合、21世紀にはさらなる温暖 化がもたらされ、世界の気候システムに多くの変化が引き起こされるであろう。その規模は20世紀に観 測されたものより大きくなる可能性がかなり高い。
適応策と緩和策のどちらも、その一方だけでは重大な気候変化の影響を防ぐことがで きない。しかし、両者は互いに補完しあい、気候変化のリスクをかなり低減することが可能である。

【潘基文 国連事務総長の挨拶(要旨)】

科学者の方々は仕事を完成した。政治家の方々に、地球温暖化問題に関する交渉を始 めるだけでなく、2009年までに結論を出して頂けるようお願いする。
地球規模で一致団結した取り組みが必要であることは間違いない。無駄にできる時間 などない。

*IPCCホームページ:http://www.ipcc.ch/

▲先頭へ