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地球環境 |
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日本側委員会で議論した内容 平成10年10月19・20日に行なわれた第一回日米共同会議に向けて、「環境保全と成長の両立を考える」研究委員会の委員で、気候変動問題に関する論点を整理したものです。なお、本文章は、平成10年10月14日時点のものです。 平成10年10月14日 1.柔軟性措置については制度的な条件整備について十分な検討をすべき。 排出量取引、共同実施、CDMといった柔軟性措置は、資源配分の効率性を高め、先進国から途上国・移行国への所得移転を実現しうるものである。ただし、現実には、技術的制約・政治的考慮等によりこれらの仕組みが理想的に機能する保証は存在しない。そうした中で、柔軟性措置が効率性・公平性を改善し有効な制度として機能するよう、その制度的な条件整備を着実に行っていくことが必要である。 具体的な制度設計にあたっては、国際的に実効性を持ち、低い取引費用で効率的な資源配分を実現する仕組みであると共に、制度全体の透明性を確保することが必要である。特に、取引内容の登録と公開の制度、取引に伴う権利義務が履行されるための担保、問題が発生した場合の紛争処理など、柔軟性措置の仕組みと運用に関して、適切な制度設計を行うことが必要不可欠である。 2.柔軟性措置の制度設計にあたっては中立的・客観的な検討がなされるべき。 制度的な条件整備にあたっては、基本的には制度の効率性・公平性を妨げるような人為的な制約を設けるべきではない。 柔軟性措置は、温室効果ガスの排出抑制にかかる費用を市場メカニズムを通 じて最も低い水準に抑えることにより効率性を実現するものであり、「柔軟性措置は国内での取組を補完するもの(supplemental)であり取引には数量 的な上限を設けるべきである」という議論は、基本的にこうした効率性を損なう怖れがある。 ただし、仮に第1約束期間までの無対策ケース(Business as Usual)の温室効果 ガスの排出量の基準年からの伸びに対して各国が想定している柔軟性措置による対応分が必ずしも大きくないとすれば、数量 的な上限設定に関し、現在交わされている論議は、実質的に意味がないと言える。また、そもそも数量 的上限を設けるべきか否かは、柔軟性措置の機能に影響するさまざまな条件を考慮しつつ制度設計を行う中で考えられるべき問題である。こうした具体的な制度設計については、各国の政治駆引きの問題と切り離して検討がなされるべきである。 3.途上国の参加のためにも、CDMをはじめとする柔軟性措置の適切な導入を。
4.途上国の参加問題について建設的な取組を。 |
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