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ニュースレター
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2000年1月号 |
REPORT |
第19回IPCCビューロー会合出張報告
Watson議長(米)の挨拶、議事説明に続いて、議題に沿って討議が始まった。
報告にあたり、特に政策関連の10の質問(A)とクロスカッティングイシュー(B)の扱いについて報告がほしいと議長から要請があった。この政策関連の質問への回答は統合報告書の主要部分であり、政策担当者が最も興味を寄せる部分である。今後の報告書作成作業においてもれらの回答を如何に執筆するかが焦点になる。また、クロスカッティングイシューは谷口教授及びインドTERIのパチョーリ博士を中心に検討が進められており(GISPRI協力)報告書の内容の整合性を高めるものとして重要視されている。 各部会では外部専門家による査読段階に入っている(既に終了したものなど若干の進捗状況の相違あり)。執筆者による会合は何回か既に行われ、今後も専門家、政府関係者によ査読コメントをもとに検討が進められる予定である。前述の(A)については第1作業部会では特に安定化、気候シナリオ、排出シナリオなどについて検討が進んでいる。第2、3では具体的に一部の章が総合的に対応しているといった状況である。(B)については関連する章で対応しており、特に気候モデルや気候変動の影響に伴う「不確実性」について明示的に進めており、さらに発展性、公平性、持続可能性(DES)といった問題や適応策・緩和策のコスト評価、意思決定手法なども統一に用いられるガイダンスペーパーに基づき議論を進める予定であるとのことであった。
コロンボDES専門家会合、東京コスト専門家会合の成果 の報告、前日の第2作業部会執筆者のためのクロスカッティングイシュー会合の報告を行った。執筆者と査読者をガイドする方法の一つとして、ユーザーズガイドの作成を進めていること及びその内容詳細を資料に基づき報告した。来年初めに執筆者を対象とした電子メール会合を行いガイダンスペーパー及びユーザーズガイドを早期に完成すること、また、ワークショッププロシーディングを含めてIPCCの出版物(IPCC Supporting Material)とすることが決定した。 航空と大気の特別 報告書 コスタリカにおいて了承した。ケンブリッジから出版予定である。 排出シナリオ特別 報告書(Metz) 本報告書については多くの排出シナリオの中で参照となるものについて多くの論議がなされてきた。結局今までいくつかの将来ケースの代表とされていた4つのマーカーシナリオを強調しないこととし、40のシナリオをロードマップと説明とともに公開することとなった(ウェブサイトで2001年秋まで公開)。 技術移転特別 報告書(Metz) 土地利用変化と森林の特別 報告書(Watson) TFIについて (TFI 共同議長, Nyenzi―ジンバブエ、平石) Nyenzi氏より最近の進捗状況について資料に沿って説明があった。後に平石氏が、IPCC データ配布センターについて(第1作業部会技術支援ユニット長, Griggs―英) 影響研究、気候モデルのインベントリを作成した。すべてのプログラムは利用可能であ
<新WMOビルを訪れて> ジュネーブの街から少し離れたところに現在のWMOビルがある。非常に新しく、斬新 なデザインである。「ガラス張りの青緑色の寒そうなビル」と言えば誰にでも間違いなくつれてきてもらえそうな外観である。中に入ると木とガラスの印象が強い、清潔でセンスが よいオフィス空間が広がっていた。エレベータもガラス張り、各部屋と廊下のしきりもガラス張りである。「世界気象機関」だけあって空の上にいるような気分になれる。窓の外は青いガラスが1,2メートルのすきまをあけて外壁を覆っており、日照によって可動させ るようである。その青いガラスが実は湿式の透明太陽電池だというのでなければ、一見、 断熱効率が悪く、エネルギー的に不経済なビルであるが、IPCC事務局長の話では熱効率が 非常に高いと誇る建物らしい。計算してみないと実際のところは分からないが、温暖化を 扱う機関にしては印象が悪いのではないかと心配だった。それにしても非常にさわやかな場所であった。 (田中加奈子) |
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