地球産業文化研究所は本年度、新規設置の3委員会を含む、次の6つの研究委員会を設置、研究を実施している。
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WTO加盟後の中国と我が国及びASEAN経済への影響と我が国の対応研究委員会<新規> |
(2) |
企業の環境パフォーマンス評価研究委員会<新規> |
(3) |
環境技術移転とエコビジネスのグローバルトップ戦略研究委員会<新規> |
(4) |
排出削減における会計及び認定問題研究委員会<第2年度> |
(5) |
少子高齢化社会における日本の選択−教育,福祉と経済戦略研究委員会<第2年度> |
(6) |
NPO/NGOと政府・企業のコラボレーション研究委員会<第2年度> |
各研究委員会の設置趣旨,研究概要を以下紹介する。
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「WTO加盟後の中国と我が国及び東アジア経済への影響と
我が国の対応」研究委員会 |
昨年11月にカタール・ドーハで開催されたWTO閣僚会議において中国のWTO加盟が承認された。
中国がWTO加盟に当たって一括承諾した協定等を遵守すれば、中国のみならず世界経済にとって拡大チャンスとなる可能性は高く、中でも我が国が享受する経済効果は最も大きいといわれている。
我が国から中国を見る場合、中国は「生産市場」(我が国の生産代替や研究開発拠点)、「需要市場」の二面性をもっている。
WTO加盟後の中国を考えた場合、「生産市場」としての中国は、
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生産財の関税低下を通して、部品価格が低下し、加工組立型産業の競争力強化が期待できる、 |
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我が国企業が現地進出した場合、豊富な理工系学卒及び院卒者によって、研究開発拠点とし機能し得る、 |
こと等にあろう。
また、「需要市場」としての中国は、広大な国土に13億人の人口を抱えているという魅力がある。WTO加盟後の中国を有望な「需要市場」として捉え、日米欧は競って中国に投資を行っているのが現状である。しかし、工業化が進んだ沿岸部こそ所得水準は高いが、中国全体として見れば、一人当たりGDPは、1,000ドル未満であり、先進国外資が現段階における中国全体を需要市場として有望視しているわけではなかろう。このことが正に中国が外資を誘引し、その資金・技術・経営ノウハウをフルに活用することを一助としてさらに経済発展を達成しようとしている最大の理由である。
以上のように、我が国にとって中国のWTO加盟は基本的にはチャンスとして捉えることができよう。しかし、1949年の建国以来、社会主義計画経済体制を採ってきた中国には様々な問題もあると考えられ、一朝一夕に中国との「Win-Win関係」を樹立できることに楽観は禁物である。
そこで、我が国民間企業が中国に進出する場合、どの様なチャンスを狙っているのか、またどの様なリスクを考えているのか、そしてチャンスを最大化し、リスクを最小化するために我が国政府にどの様なことを望んでいるのかを明確にし、整理することは中国との「Win-Win関係」を樹立する上で重要である。
さらに、我が国は中国への進出以前から、ASEAN等に対する投資を積極的に行っており、東アジアとの経済関係は強い。年初に我が国は、シンガポールとの間に「新時代経済連携協定」を締結したところであり、本協定はFTA以外にサービス、知的所有権、投資、人材、科学技術等の自由化・交流をカバーしているところに意義があるといわれる。世界は欧米を中心に地域経済協定が拡大しつつあり、東アジアとしても有効な経済協定の下「東アジア経済圏」を形成することは自らの国益上からも意義があると考えられる。中国は昨年、ASEANとの間でFTAを10年以内に締結することを合意し、他方我が国は2005年のFTA締結を目指した産官学共同研究会を韓国との間に設置し、「新時代経済連携協定」をベースにASEANに対しては「包括的経済連携協定」締結を提案しているところである。
「東アジア経済圏」樹立に当たって、我が国はASEAN等との関係を如何に進め、その中で中国をどの様に考えていくかを明確にしておくことは、通商政策上極めて重要である。
当研究会においては、産業別・企業別(例えば、情報通信、自動車、金融等サービス業から個別に抽出)にWTO加盟後の対中進出のチャンス・リスク及び政策的支援をについて研究し、更には中国、ASEAN等を含めた新たな経済関係構築に向けた政策課題等を明らかにしようとするものである。
なお、10月20現在の本研究委員会の構成は、以下の通りとなっている。
委員長
委員
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青木 俊一郎 |
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松下電器産業 中国・北東アジア本部 顧問 |
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井出 亜夫 |
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慶應義塾大学 3E研究所 教授 |
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大木 博巳 |
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日本貿易振興会 国際経済課 課長 |
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角田 博 |
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日本経済団体連合会 国際協力本部 本部長 |
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木村 福成 |
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慶應義塾大学 経済学部 教授 |
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金 堅敏 |
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富士通総研 経済研究所 主任研究員 |
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後藤 康浩 |
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日本経済新聞社 論説委員 |
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嶋原 信治 |
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日中投資促進機構 事務局長 |
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服部 健治 |
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愛知大学 現代中国学部 教授 |
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原田 泰 |
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内閣府 経済社会総合研究所 総括政策研究官 |
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