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ニュースレター
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2005年 3号
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Report | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
多文化共生社会を考える研究委員会報告書 平成16年度 日本自転車振興会補助事業 この度、標題の研究委員会報告書が完成したので、その概略を以下に紹介する。
要 約
日本に定住する外国人数は増加を続けているが、これまで、日本は、どのように外国人労働者を受け入れるかについては、充分に議論を尽くしていない。政策はあいまいで、とくに人口動態推移と産業構造の長期予測に基づいて外国人の受け入れを検討するという視点の欠落が明白だ。 低廉労働力として導入された未熟練の日系人労働者は、一定期間の滞在・就労後に母国へ戻り、その代替労働者が新たに来日する(ローテーション)との予測は覆され、帰国後の就職難から再来日、さらに家族を呼び寄せ、日本への定住化を志向している。 しかし、厳しい雇用環境の折から、彼らのかなりの部分は経済的・社会的に劣悪な環境にあり、子供の教育も彼等の負担の限界を超え、不就学から少年非行の予備軍と化し、すでに地域によっては、社会的負担を著しく増大させている。 日本社会は急速な出生率低下により生産年令人口の激減が見込まれ、産業競争力の維持には毎年50万人の外国人労働者受け入れが必要、との指摘もある。が、人口増減は出生率と移動率で規定されるとする藤正モデルに従うと、日本における短期的な外国人受け入れでは人口を増加させる効果はなく、2030年まで減少の一途を辿る、とされる。さらにドイツ事例に倣えば、外国人受け入れによる経済的効果は、本人世代の年金分支払いに止まり、次世代の教育費用他の負担が大きく、その累計はマイナスになる。 EUの東方拡大に伴い、東欧からの外国人労働者の自由な流入を警戒するドイツは、急激な人口減少に直面しながら、なお、外国人移住を禁止する措置を新たに設け、オランダもまた文化摩擦への懸念から移住制限へ方針転換している。 隣国中国は、年間1千万人の新規労働力の供給を受けつつ経済発展しており、日本が中国との産業構造の補完関係をどう築くのかは重要な論点の一つである。 一方、高度技術者の日本への招聘は政府もこれを積極的に推進するとしており、インドでは日本語を理解するCAD,CAEエンジニアの育成事業が展開されている。日本で5年間実務を経験、母国に戻り、インドでビジネスを起こし、日本からの注文を採るという新たなビジネスモデルを描いている。起業する本人はもとより、日本企業にとってもビジネスパートナーのネットワークを拡げられるというメリットがあり、今後の展開が注目される。 研究委員会名簿
(敬称略,五十音順)
報告書目次
(文責 竹林忠夫) |
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