2006年7月13・14日、東京都内のホテルにて第8回となる日・EUビジネス・ダイアローグ・ラウンドテーブル(以下BDRT)が開催された。日本側議長の小林陽太郎氏(富士ゼロックス最高顧問)、EU側議長のヤコブス男爵
(UCB会長)以下、日本側・EU側から約30名のプリンシパルメンバーが出席した。BDRTは日本とEUの財界人が様々な分野において両政府の政策立案に対して効果的な提言を行うことを主な目的とする。GISPRIからは、福川伸次顧問が日本側プリンシパルメンバーで出席し、信岡洋子(研究員)が福川顧問のサポートとして出席した。
初日は5つのワーキングパーティー(WP)の具体的な提言内容に関するプレゼンテーションが行われた。WPのテーマは以下の通りである: |
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WP1:貿易と投資 |
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WP2:会計と税制問題 |
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WP3:ICT(情報通信技術) |
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WP4:WTO |
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WP5:ライフサイエンスとバイオテクノロジー |
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各WPとも事前に日・EU間で入念な調整をしていたので、提言内容を変更されることはなかったが、提言をもとに活発な議論がされた。福川顧問はWP4(WTO)の日本側リーダーとして、EU側カウンターパートのUNICE(欧州産業連盟)のde
Buck事務局長のプレゼンテーションに続いて発言し、WTOの今次ラウンド交渉の現状を憂慮するとともに、日本政府と欧州委員会は米国に柔軟性を持つよう圧力をかけるべきだと強調した。さらに、多国間の合意する貿易ルールなしでは、地域的な自由貿易協定が乱立し混乱を招くことになりかねないとし、今次ラウンドでの妥結の重要性を訴えた。
また、WP6(持続可能な発展)はEU側のメンバーが辞任したため今回の提言作成は見送られていたが、後任が決まったことを受けて活動が再開されることとなった。
2日目は日本政府及び欧州委員会代表を迎えての官民合同セッションであった。産業界と政府に対話の機会を与えるこの合同セッションはBDRTの大きな特長である。日本政府からは二階俊博経済産業大臣、塩崎恭久外務副大臣、古屋範子総務大臣政務官、欧州委員会からはフェアホイゲン欧州委員会副委員長が官側代表者として最近の日・EU関係や世界経済と自由貿易などについてスピーチを行い、その後BDRTメンバーとの議論・意見交換が行われた。
同日には一般討議として日・EUのメンバーから4つのプレゼンテーションがあり、トピックは「世界規模での競争:課題と経験の共有」、「知的財産権と模倣品問題」、「エネルギーをはじめとする世界的資源問題」、「市場アクセス:M&Aと規制環境」であった。どれも今まさに熱いトピックで、プレゼンテーション後の質疑応答でも多くの意見交換がなされた。
日本側議長の小林富士ゼロックス最高顧問は今回で辞任し、岡村東芝会長が新議長に就任した。2日目の会合終了後、日本側新旧議長とEU側ヤコブス議長が記者会見に臨み、プレスリリースおよびBDRTの提言の概要を発表した。次回のBDRT会合は2007年初夏にブラッセルで開催される。
BDRTの詳細は事務局の(財)日欧産業協力センターブラッセル事務所のインターネットホームページを参照。同センター東京事務所のホームページも随時アップデート予定。 |
以上
文責:信岡 洋子
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