日米両国は、将来のエネルギー問題に対し、協力して解決すべき数多くの課題を抱えているが、これらの解決策の模索にあたり、今後、日米間のNGO ベースの対話チャンネルを構築していくことが有効と考えられる。
今回のワークショップは、こうした背景のもとに、日米の官・民・NGO の若手専門家の参加を得て、参加者の間で非公開で自由な意見交換の場と将来の人的ネットワーク形成のきっかけを与えることを目的として開催された。
○月 日 1994年2月17日(木)・18日(金)
○場 所 国際文化会館(東京都港区六本木)
○主 催 The Coalition for the Presidio Pacific Center
○共 催 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)
(財)電力中央研究所
○協 力 (財)省エネルギーセンター
(株)三菱総合研究所
(社)海外コンサルティング企業協会
(財)地球産業文化研究所
○参加者 米国:大学、EPRI、電力会社。NGO などから13名
日本:大学、電力中央研究所、電力会社、ガス会社、メーカー、NGO などからのべ59名
主催者は、サンフランシスコの広大な軍事施設跡地であるPresidio Pacific Center を、環境関係の活動のために活用することを目的として設立された民間団体で、日系人の岸本陽里子さんが中心的に活動している。
◇ワークショップの概要
ワークショップは、テーマ別 の4つのセッションならびにラウンドテーブル・セッションにより構成された。セッションの4つのテーマは以下のとおり。
・セッションI エネルギーの需要管理(DSM)と省エネルギー
・セッションII エネルギー技術開発と新技術の市場への導入方策
・セッションIII 将来のエネルギー選択に関する日米の戦略比較
・セッションIV エネルギー・環境問題への日米協力の可能性
これらのセッションでは、日米双方から1人づつの発表を行った後、そのテーマに関しての質疑応答・フリーディスカッションを行う形式ですすめられた。今回の参加者は、産・官・学・NGO の第一線で活躍していることもあって、日米のバックグラウンドの差まで踏み込んで活発な意見交換が行われた。
ラウンドテーブル・セッションは、4つのセッションを総括する形で行われ、エネルギー・環境問題に関する各テーマについて、日米協力ならびに発展途上国への移転などについて意見交換が行われたほか、今後のワークショップのありかたについて議論が交わされた。米国からの参加者は、一貫してDSMの必要性と効用を強調し、省エネルギーに対して積極的な姿勢を示していた。
なお、本ワークショップは、2回シリーズで計画されており、次回はサンフランシスコで開催される予定である。