中国科学院前副院長、全人代常務委孫鴻烈氏と日本気象協会技師長横山長之氏の共同議長によって3月6日から8日にかけて、雲南省の省都昆明市で標記WGが開かれた。この会議では、肥料と農薬に関するクリーンプロダクションの推進が議題となった。肥料は中国化学工業の代表的な製品で、約2000万トンの生産高は26万トンの農薬と共に世界第2位 を占めている。中国では人口増加と農地減少のため、反当収量の増加が最大の課題であり、肥料・農薬への期待は大きい。ところが現在は低い生産効率により原料やエネルギーの無駄 、生産される肥料種類が少ないことによる非効率は施肥・農薬の品質の悪さと不十分な種類のための過剰使用がもたらす土壌や環境汚染など多くの問題を抱えている。適切な種類の製品を効率よく生産するための施策、原料や製品の輸送を効率的に行う施策が必要である一方、持続可能な農業の観点から、肥料や農薬の使用改善の大切さも強調された。クリーンプロダクションとは、単に生産課程の問題だけでなく、使用課程も含めたすべての段階でクリーン化の思想を織り込むことである。
中国では石炭クリーン化が重要な課題である。また今後の経済発展の原動力として急激な自動車拡大が計画されており、自動車のクリーン化に対しても今から適切な政策を取っておくことが必要である。このため、石炭と自動車についても日本が中心となって報告書をまとめることになった。
雲南省には中国55の少数民族の内、多くの民族が住んでいる。省都昆明は言うに及ばず、ラオス、ミャンマーに隣接する西双版納のような奥地でも想像以上に近代化が進んでおり、新しい建築が盛んである。少数民族の部落にも商品経済が浸透しつつある。ゴムの木の大量 栽培なども、市場経済化の大きな現れである。中国全土の経済発展が如何に大規模であるかを実感とたと同時に、多彩 な少数民族の文化と自然条件が出来るだけ壊されないようにと願わずにはいられなかった。