建設業は、地域開発や都市開発、治水、道路建設などの活動を通 して、周辺環境と密接に係わっている。また地球環境問題がより大きな意味を持つ中で、自然環境に直接触れ影響を及ぼすという立場にたって、環境保全活動を進めていく必要がある。このような背景から、当社は1991年4月に、従来の「地球環境問題連絡会議」にかわって、社長直轄の専任組織「地球環境室」を設置した。はた、政策の審議機関として「地球環境対策推進委員会」を、決定機関として「地球環境委員会」を併せて設置した。更に、その下に、具体策の検討・答申を行う専門部会を設けた。1995年3月現在、6つの部会が活動している。
具体的な活動例を幾つか紹介すると、(1)事業活動の全ての領域にマクロに評価するツールとしてのエコマップを作成、(2)省エネルギー設計技術の向上、新しい省エネ、省資源技術の研究、開発、(3)建設物の環境負荷量 を定量的に把握する評価システムの開発、(4)ラワン合板等の熱帯林使用量 の削減に向けての代替型枠材の開発、無型枠工法の導入、(5)建設現場における廃棄物の減量 化・再資源化、(6)生態系を考慮した自然環境保全技術の研究等が挙げられる。
また、建設業の特徴として、数多くの作業現場をかかえ協力会社も多いため、組織の枠組みを越えた教育・啓蒙活動が必要である。この点に関しては、本・支店で定期的に行われる環境フェア、事例発表大会といった行事が大きな成果 をあげている。これらの活動は、より大きな意味で「持続可能な建設(Sustainable Construction)」に向けての取り組みである。