2月25日~3月7日にかけてドイツ国ボンにおいて行われた首題の会議には日本政府から29名、うち通 産省からは石海地球環境問題担当審議官、地球環境対策室桜井室長、エネ庁小林室長ら6名が出席。地球研からは二宮が出席した。
今回の会合において、本年12月に京都で開催されるCOP3に向けた2000年以降の行動を規定する議定書案の交渉テキスト案が作成され、今後の本格交渉の基礎が築かれた。
AGBM(ベルリンマンデートに関するアドホックグループ)は3月3日から7日まで開催された。会議のポイントは以下の通 り。
条約の規定上(半年ルール) 、交渉テキストはCOP3の半年前の6月1日までに各国に送付されることが要求される。今回の会合では主として交渉テキストの作成を中心に討議が進められた。
昨年の12月のAGBM5 の結論に基づき3月4日午後に「差別 化に関する非公式ラウンドテーブル」が開催された。このラウンドテーブルでは、差別 化の必要性、差別化のアプローチ(計算式、選択方式、交渉式)、 指標(一人当たり排出量 など)についてプレゼンテーションと議論が行われた。
EUの新提案(EU内各国は差別化、トータルではEUバブルとして一律削減)に関連し、EU加盟国等 では時間的制約から一律削減が現実的との発言があったのに対し、日本他からEU内で差別 化を行いながら、 他の国に対し一律削減を主張するのは公平性の観点から問題がある旨の指摘があった。
3月3日のEU環境相理事会で概略以下の点について合意。
締約国が個別にまたは共同して2005年までにr%,2010年までに'90年比15%の削減を行うことを提案。
対象ガスはCO2 、メタン、亜酸化窒素のバスケットアプローチ。代替フロンについては2000年までに対象に含める( ただし、代替フロンについても、政策・措置については当初から議定書に含める)
EUの域内については'90年比10%削減分の各国負担分について合意。国によって+40% から-30%まで大きな差が認められる。(EU内の内部的合意に過ぎず、まだ5%分の削減余地が残されており、今回のAGBMには提出されなかった。)
各国からの新規の提案(条文に限る) については6月1日までは認める。ただし4月1日までに提出されたものについては、今回合意された交渉テキストに追加される。それ以降のものは追加の保証はされない。6月1日をすぎたものは新規提案とは認められず、既存の提案に関連する提案のみが認められる。
交渉テキスト案が今次会合で作成され、今後の本格交渉の基礎が築かれた。
今次会合では、実質的な意見の調整は行なわれず、各国の意見・論点に隔たりが大きいことから、次回会合での交渉は難航を極めるものと予想される。そのため、CSD、G7サミット、国連環境特別
総会などの国際会議の機会を通じて、COP3の主催国である我が国として、積極的な各国の意見調整を図って行く必要がある。
AGBM7 7月31日~8月7日 ボン
AGBM8 10月27日~31日 ボン
COP3 12月1日~10日 京都(閣僚セグメントは8日~10日に決定)