10月31日(火)~11月2日(木)に、中国・北京市にて「環境と開発に関する中国国際協力委員会(チャイナカウンシル(注1))」第2フェーズ・第4回本会議が開催され、事務局として参加したので以下の通
り報告する。今回は、特に「中国・西部大開発に関わる環境問題」を中心テーマとして討議が行われた。
中国側及び外国側カウンシル委員、各作業部会(WG)共同議長、政府・省からの招聘者、オブザーバー等約100名が参加した。チャイナカウンシルの外国側副議長は、本年カナダ国際開発庁(CIDA)長官に就任したグッド氏(Leonard M. Good)へ交替となり、ラベル前副議長はカウンシル委員となった。日本側からは、カウンシル委員としてNEDO北京事務所井上所長(福川委員代理)および石坂匡身石油公団副総裁が、クリーナープロダクションWG共同議長として井出亜夫・慶応義塾大学教授が出席した。
(2)政府各部、西部省および各WGよりの発表。 国務院西部開発部(開発戦略)、科学技術部(キャパシティビルディング向上対策)、国土資源部(鉱物資源開発)、交通 部(道路建設)、水利部(土壌流出、水資源対策)、国家環境保護総局(西部地域における環境保護対策)、国家林業局(植林、砂漠化防止)、四川省、甘肅省、内蒙古自治区より、それぞれの西部開発との関連での発表が行われた。 次いで、チャイナカウンシル傘下のWG共同議長より、各グループの活動報告とレコメンデーションの説明が行われた。このうち、クリーナープロダクションWGについて、井出議長より、山西省太原市における主要企業向けクリーナープロダクションのデモンストレーションを中心とするこれまでの活動状況を報告し、太原市で実施したクリーナープロダクション導入の手法を他の省・市へも普及させるための法整備の早期実現を含むレコメンデーションについて説明を行った。 (3)レコメンデーションの審議と採択 本会議へレコメンデーション案が提案、審議の上、採択された。 (経済、エネルギー関連で主なもの)
この後、カウンシル委員は朱鎔基首相を表敬訪問し、レコメンデーションが手渡された。 |
3.次回(第5回)本会議開催予定
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(文責:伊藤裕之)
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(注1)中国政府に対して環境と開発の総合に関する建設的な提案をするためのハイレベルの請問期間であり、
1992年4月に設立された。
(注2)「西部」:面
積は中国全体の57%、人口23%、GDP約14%を占める。160種類の豊富な鉱物資源。
石炭埋蔵量は中国全体の38.6%。 石油41%。発電用水資源82.3%。