11月7日に慶應義塾大学大学院 茅陽一教授を委員長とした標記研究委員会の第1回会合を開催し具体的な活動を開始した。以下概要を紹介する。 |
1.背景・目的
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近年のIT革命の進展は、アメリカの金融工学の発達ともあいまって、個人資産の国際金融市場への供給増加や、巨額の海外直接投資が瞬時に行えるなど、経済のグローバル化をより一層進展させ、一国の経済に与える影響も大きいものがある。また、産業界においては電子商取引の発達により、世界を視野に入れた原材料の調達や、中間商社抜きの直接取引、サプライチェーンマネジメント、インターネットによる消費者への直接販売等々が、あらゆる企業において進行中であり、産業活動に活性化をもたらし、産業構造に変化をもたらしている。特に人々の生活においては、情報端末の機能をもった携帯電話や、家庭へのパソコンが急速に普及し、オンライン株取引や銀行振込、ホテルや航空券の予約、書籍の購入が可能になるなど、インターネットは人々の生活になくてはならないものの一つになってきつつある。この様に現在進行中のIT革命は、社会のあらゆるものに影響を及ぼし、途上国、先進国を問わず、従来の社会構造・産業構造を根本から覆す可能性を持っており、18世紀の産業革命に匹敵すると言われる所以である。
本研究は、IT革命が影響を及ぼすものの中でも、特に世界的規模で現在問題となっている「地球温暖化」、具体的には地球温暖化ガス(CO2)の排出量
がIT革命の進展によってどのような影響を受けるかを定量的に把握し、今後の好ましいIT革命の進め方、今から準備すべき事柄は何かなどを研究し、政策提言するものである。
2.研究方法(予定)
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・ | IT革命が地球温暖化に及ぼす大きな影響項目の調査研究。 |
・ | 産業連関分析表作成。CO2ガス排出の定量 化。問題の重み付け。 |
・ | 社会全体として好ましいCO2ガス排出のありかた研究。 |
・ | 政策課題の発見。対応する制度の検討。シミュレーションによる検証。 |
・ | 政策提言。 |
3.委員会構成(11/7現在、五十音順)
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4.委員会日程
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第1回委員会 11/7室田泰弘委員講演「IT革命と企業行動」
第2回委員会 11/27Rocky
Mountain Institute CEO Amory Lovins氏講演
「ITと地球温暖化」
(委員会事務局 寺田 隆)
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