2001年6号

平成13年度 「IT革命が地球環境問題に与えるインパクト」 研究委員会

 平成12年度よりスタートした標記研究委員会は、茅 陽一・東京大学名誉教授を委員長として、この9月より、以下のテーマに関する調査検討を中心に、本年度の研究委員会を開始した。以下にその概要を紹介する。




1.趣旨:

 現在、世界的な規模で進行しつつある「IT革命」は第2の産業革命とも呼ばれ、産業界だけでなく私たちの生活などにも非常に多くの影響を及ぼすが、このIT革命が、今後、地球環境問題に対して、果たしてどの様な影響やインパクトを及ぼすのか、事前によく分析し、さらに問題点などを防ぐための必要な対策を講じておくことは非常に重要である。

 平成12年度の研究委員会では、特にIT革命が「地球温暖化問題」に及ぼす影響についての基礎検討を行った。幾つかの事例分析の結果、特に90年代後半の米国では、IT革命の進行に合わせて、エネルギー消費量の伸び以上に生産性が伸びるという、従来には見られない生産性のジャンプの様な現象が観測されたという興味深い報告などもあったが、果たして同様な現象が日本でも起こるのか?さらに、IT革命が地球環境問題にもたらす影響,インパクトというものが、マクロ的に見て、果たして本当に良いのか悪いのか、等についての最終的な結論までは得られなかった。

 平成13年度の研究委員会では、昨年度までに得られた基礎検討の結果も踏まえて、さらに一歩踏み込んだ調査検討を行いたいと考えている。そのため本年度は、特に検討が必要と思われる下記「5項目の重点検討テーマ」を設定し、これらのテーマを中心に、より踏み込んだ調査検討と分析などを行いたいと考えている。
 (1) IT革命の将来像と今後のトレンド
 (2) 米国でのIT革命の影響に関する調査研究の動向、その後の最新情報
 (3) 積み上げ法による、地球温暖化問題への影響等の将来予測
 (4) 産業連関法による、地球温暖化問題への影響等のマクロ分析
 (5) 地球温暖化以外の側面への影響(廃棄物の問題、その他)



2.平成13年度「IT革命が地球環境問題に与えるインパクト」
研究委員会- 委員名簿(敬称略)-

<委員長>
茅  陽一 東京大学 名誉教授

<委 員>
石谷  久 東京大学教授(工学系研究科 地球システム工学専攻)
西山 邦彦 (株)電通 電通総研 研究主席
室田 泰弘 (有)湘南エコノメトリクス 代表取締役
森  俊介 東京理科大学 理工学部経営工学科 教授
吉岡 完治 慶應義塾大学教授 産業研究所 所長

<オブザーバー>
杉田 定大 経済産業省 大臣官房政策企画室長
関口 訓央 経済産業省 大臣官房政策企画室 企画主任補佐
塩沢 文朗 経済産業省 大臣官房参事官(技術担当)
野原  諭 経済産業省 商務情報政策局 情報経済課 課長補佐
早見  均 慶應義塾大学 産業研究所 助教授
槌屋 治紀 (株)システム技術研究所 所長
山田 一郎 日本電信電話(株(生活環境研究所 所長
西  史郎 日本電信電話(株)環境推進室担当部長
岸田 俊二 日本電気(株)NECラボラトリーズ 環境技術研究所 所長
藤本  淳 日本電気(株)NECラボラトリーズ 環境技術研究所 研究部長
上條 典夫 (株)電通 電通総研 研究1部長
木暮  啓 (株)電通 電通総研 研究1部 主任研究員
吉野 次郎 (株)電通 電通総研 研究1部 副主任研究員
(文責 委員会事務局 永田伸二)

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