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伊藤:保育園と幼稚園の二元体制は理解できない仕組みであり、即刻統合すべきだ。そして、保育園と幼稚園が合流したり、幼稚園と小学校が合流したり、柔軟に創意工夫ができる形に規制緩和していくことが重要だ。幼児教育の重要性は、強調しすぎることはないと思う。 |
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清家:投資としての教育という観点からは、これからの日本にとって人材が大切であるならば、教育に投資した人がいい仕事や高い報酬といった収益を得られるような仕組み、特に雇用の場における能力以外の属性等による差別を禁止していくことが大切だ。
また、雇用の流動性の高まりに伴って、仕事を通じた職業教育・能力開発職業教育のコストを避けるため、中途採用に頼る企業が増えているが、こうしたコストを社会全体あるいは個人で負担するようなルールをつくっていかないと、日本全体で能力開発のための投資が少なくなってしまうおそれがある。 |
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金子:明治から高度成長期までの「追いつけ、追い越せ」という日本の戦略が一定の成功を見たあと、次のビジョンを見つけていないことが、今の日本の一番大きな問題だと思う。構造改革や規制緩和がどこまでできるかということが、日本が生き残るための一番大きなポイントではないか。 |
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シェーファー:英国には優れた教師をスーパーティーチャーに任命して、俸給も上げる制度がある。これは、英国では教師の社会的地位がさほど高くなかったこと、教師の評価の対象が実際の教育の現場ではなく、事務的・管理的な仕事の比重が高くなってきたこと、この二つの問題を解決するために導入された。 |
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サルヤラ:教育政策は外国へ輸出したり輸入したりすべきものではない。どの国も文化や歴史的な背景に合ったそれ自信の教育政策を持つことが重要だ。学校不要論もあるが、私は、一人で学ぶこともできるけれど、実際の学習のためには社会としての学校が必要だと思う。提言案にある、教育を地方主権にすることには心から賛成する。 |
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西村:何かを変える時に、何かを捨てる必要はない。日本の教育システムにしても、良いところ悪いところがあったのに、悪いところを直すためには良いところまで捨てなければならないとする考え方があった。何か望ましくないことがあったら、その問題を解決するべきであり、今ある良いところを捨てるべきではないと思う。 |
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フロアからは、14万人の不登校児や100万人の引きこもりの青少年を社会に活用するための方策について何ら触れられなかったのは残念、「保育=教育」との指摘で自分たちのNPO活動に自信を持てた、高校・大学でスキルを身につけられない現状は学校教育制度の欠陥を示していると思う、といった意見が出された。 |