京都メカニズムの活用は、旧地球温暖化対策推進大綱、現在の京都議定書目標達成計画において、有力な議定書目標達成の手段の一つと位置づけられている。欧州各国の中にも京都メカニズムを積極的に活用する国々があり、CDM/JI等への取組みを加速し、将来のクレジット確保を確実なものとしつつある。平成20年(2008年)からの第1約束期間に向け、排出削減プロジェクトのリードタイムを考えると、着手すべきデッドラインに来ているが、現在の我が国の状況はプロジェクトの取組みの広がりが十分とはいえない面もある。 今後、我が国としてCDM/JIを促進し、安定的にクレジットを確保するには、民間事業者のより積極的な取組みが不可欠である。従って、なぜ、現在においてもCDM促進が期待以上に進まないのか、取り組む意識はあるのになぜ実行動への距離があるのかについて原因を探る必要がある。CDM理事会の運営面なども障碍として予想されるが、ここでは特に、それ以外の障碍(外部要因・内部要因)を中心に議論を行い、これらを政府にインプットすることを通じて、ボトルネックの解消へ向けた支援を働きかけていくことが、国・事業者双方の利益となるといえる。
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